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5時限目 ページ5

「Aちゃん。今日さ……僕と放課後、遊ばない?」

「……っはぁ!? なっ、……え!?」

囁かれる事自体に弱いという事もあり、私は驚きのあまり立ち上がってそう叫んでしまった。それと同時に、静かだった教室内からはクスクスと笑い声が溢れかえる。

「あ、天海さん? お……落ち着いてください」

「す、すみませっ……」

先生に苦笑しながらそう言われ、私は震える声でストンと自席に座る。
あぁ、今すぐこの左隣にいる人の鳩尾に拳を突っ込みたい。
私の左隣に座っている鹿野くんは、両手でお腹を押さえてゲラゲラと笑っていた。
……そして放課後。

「……疲れた……」

教室掃除を終えた私は、学校で指定された鞄を持ってそう呟いた。
さぁ、あとは家にまっすぐ帰って音楽でも聴きながら――。

「――Aちゃん♪」

「ひゃあぁっ!! だっ、誰!?」

「ふふっ、誰でしょ〜?」

教室を出て長い廊下を歩いていると、突如誰かに後ろから両手で目隠しをされた。
この声……まさか。

「かっ、鹿野くん……?」

「だーいせいかーい♪ 凄いね〜、何で分かったの?」

「そりゃあ、私にこんな事しそうなの鹿野くんしかいないし。……それじゃ」

そう言って笑顔でパチパチと拍手を送ってくる鹿野くんの横を通り過ぎようとした時。私の左手首を鹿野くんに掴まれてしまった。

「なーに帰ろうとしてんの? 僕との約束、忘れたの?」

「……あ、忘れてた」

「酷いなぁ〜!! まぁそれはともかく、行くよAちゃん!」

「ちょ、ちょっと待って!」

私の左手をきゅっと握って正面玄関に向かおうとする鹿野くんを、私はそう言って引き留めた。鹿野くんは、きょとんとした顔で振り返り、猫のような目で私を見つめる。

「そのっ……私、この後用事があるから……っまた今度ね!!」

「え、ちょ……Aちゃん!?」

鹿野くんが私を引き留める声が聞こえるが、私はそのまま正面玄関に向かって走り続ける。
そして次の曲がり角を曲がった瞬間、私は反対側から来た人と正面衝突をしてしまい、お互いに尻もちをついてしまった。

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設定タグ:カゲプロ , カノ , 学校   
作品ジャンル:アニメ
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スイ - カノかっこいい!!面白いです!!すっごく!!頑張って下さい!!!! (2016年12月5日 8時) (レス) id: 77c9f3f671 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雨ノ宮心音 | 作成日時:2016年11月19日 20時

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