【カゲプロ】私の高校に転入してきたのは、鹿野くんでした。*１* (ページ13)

今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:25,480 hit

13時限目ページ13

｢わぁ……！先輩って、意外に可愛いものが好きなんですね!!｣

｢っ!! そ、そりゃあ俺も女だし……まぁ、とりあえずそこに座ってくれ｣

先輩は頬を軽くぽりぽりと掻きながらそう言い、ベッドに腰かけた。私も同じように、その隣に腰かける。

｢……で、どんな事で悩んでいるんだ？何でも言っていいぞ｣

そう言った先輩は、にこりと笑みを浮かべた。
……何か、先輩って包容力あるなぁ……。

｢実は私、……鹿野くんの事が好きなんですけど……｣

｢アイツが好きなのか!?｣

｢？そ、そうですけど……｣

｢そうか、アイツか……あぁ、続けていいぞ｣

｢それで……鹿野くんに振り向いてもらう為に見た目から変えようと思ったんですけど、どこを変えたらいいかが分からなくて……｣

｢……それなら、メイクをしてみるのはどうだ？｣

先輩は腕を組んで考え始めたかと思うと、私の方を向いてそう言った。

｢なるほど……!! でも私道具なんて持ってないし、やり方も分からないし……｣

｢あぁ、それなら問題ない。友達から貰ったメイク道具があるからな。どうしようか困っていた所だったし、しかも全く手をつけていないからよかったらお前にやるよ｣

｢いっ、いいんですか!? それにこんな高そうなもの……｣

｢大丈夫だ、俺はそんなものするつもりはないしな。この前のぬいぐるみのお返しだと思って受け取ってくれ｣

そう言うと先輩は、今まで私が見てきた先輩の笑顔の中で一番の笑顔を見せた。

｢あ、ありがとうございます……!!｣

｢さて、それじゃあ早速メイクの仕方を一から教えるぞ｣

先輩はそう言うと、私の前に座ってメイク道具を手に取った――。