林檎が四十七個 ページ49
「そんな事をしてみろ。この娘は二度と城へ現れないぞ？」
俺は進んで怒りを買いたくない
そう言って肩を竦めたゼンさん
勿論ですとも、と言うような声色で
『それは光栄です！』
と返し、同じ様に肩を竦めて笑う
そのやり取りを呆然と見ていた室長は、いきなり「ぷっ・・・」と吹き出したかと思うと、お腹を抱えて笑い出した
「室長っ、」と傍にいた男の人が止めるにも関わらず笑い続ける
私とゼンさんはキョトンとして目を合わせていると、いまだに止まらない笑いを抑え、彼女は隣の男の人＿＿ヤツフサさんに話しかけた
「ふ、ごめん＿＿どうヤツフサ、A君は！」
ヤツフサさんは、恐らく私が書いた記録書が挟まっているであろうボードを見た
「文句なしで合格ですね」
その一言に固まった私を見やり、咳ばらいをした室長は「という訳でA君」、と少しの間を置いた
「君を宮廷付き薬剤師見習いとして、正式に迎えるわ。」
『＿＿へ？』
理解が追い付かず首を傾げた私に、麗しい顔でにこりと笑った室長
ゼンさんは私に安心した様な笑顔を見せている
驚きで声が出せない私に、室長は試験の説明をしてくれた
この試験は薬草園の管理ではなく、ユラとアケギの間違え探しらしかった
「記録書に書いてくれるだけでよかったんだけど、まさか全部植え替えるとは・・・リュウが聞いたら驚くでしょうねぇ」
『リュウ・・・？』
小さな笑いを零す室長に、私はある男の子を思い出す
室長によると、なんとその子はこの宮廷の最年少薬剤師らしい
『もしかして黒髪の子でしょうか？』
衝動的に聞いた私に室長は驚いた顔を見せ考え込む素振りをする
「じゃあ、君の上司はリュウにしましょう」
しばらくして顔を上げた室長が出した答えに私は立ち上がり、元気よく肯定の返事をした
そして去っていく室長の後ろ姿を呼び止めた
『っあの、ガラク薬室長！お願いしたい事があります！』
＊＊＊
「あの、室長」
薬草園から続く通路を歩くガラクにヤツフサは話しかけた
気怠げに振り向く彼女
「彼女に＿＿あんなに会いたがっていたAさんと話さなくてよかったのでしょうか。」
ガラクはその問いに溜息を零す
「そんな事、今となってはいつでも話せる様になった」
大きくなったなぁ、A
そう小さく呟き、青々とした空を見上げた
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かるp(プロフ) - 赤司ありあさん» 返信遅れてしまい、すいませんでした。赤司ありあ様、コメントありがとうございます！どストライクですか！？ハートを射る事が出来て嬉しいです。勿論頑張っていきたいと思います！ (2016年2月14日 20時) (
レス) id: 3ac4b62ad0 (このIDを非表示/違反報告)
赤司ありあ - おっ！これはエンペラーアイですか？wこれは、もう度ストライクですね！大好きです！！これからも読まさせて頂きます！！頑張ってください (2016年1月1日 19時) (レス) id: 63ba2608d2 (このIDを非表示/違反報告)
かるp(プロフ) - 猫型。さん» 猫型。様、コメントありがとうございます！最近更新が停滞気味で・・・。しかし尊敬してもらえるとは、とても嬉しいです！ (2015年11月14日 19時) (レス) id: 3ac4b62ad0 (このIDを非表示/違反報告)
猫型。 - 作者様の書く小説のリズムテンポが素晴らしすぎて毎度尊敬してしまいます…(,,´ω`)赤髪の白雪姫、面白いですよね！ (2015年10月6日 19時) (レス) id: bf9ac0b0e3 (このIDを非表示/違反報告)
かるp(プロフ) - +*+*はりゅりゅ*+*+さん» まじです！ゼンさんもオビさんも見る度数秒手を止めて見入ってしまいます（毎ページ）！オビさんのボケもかなり好きです！ (2015年8月16日 22時) (レス) id: 3ac4b62ad0 (このIDを非表示/違反報告)
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