林檎が二十四個 ページ26
上がった先には一階と同じ作りの窓
でも_
『格子がない!』
私は一目散に駆け寄り窓を開け、外へ出ようとした
しかし私は、大事な事を忘れていたのだ
__ここ、2階でした
目の前には木しかなく、外へ通じる階段などはない
私は仕方なく、木を伝って地面に着地することにした
『とぉっ!』
勢いよく木にぶら下がり、一回転して地面に着地!するはずだった
ゴキリ
重い音を立てた足
先ほど怪我していた事も忘れていたのだ
勢いをつけた為、地面に着いたときの足にかかった負担が大きく、なんと歩けなくなってしまった
『うう、迂闊でした・・・!』
「本当に迂闊だったな、」
地に伏せたまま顔を上げると、火を持った巳早さんがヨロヨロとこちらへ向かって来ている
「あの煙も対してきかねぇもんだったしな」
そういってニヤリと笑う巳早さんを見た私はクルリと後ろを向き、『さよーなら、です!』と足を引きずって走ろうとした
しかし彼の方が一枚上手
腕を引っ張りしゃがんだ姿勢のまま勢いよく壁に押し付け、メラメラと燃える火をすぐ近くに宛がう
必死に逃れようとする私の首を、壁を着いていた方の腕で押さえ込んだ
『っ〜!』
必然的に首が締まるのでとても苦しい
「あんたさぁ、ここで逃げたってまた別の奴に狙われるかもよ。貴族やら王族やらに差し出せば、守られながら贅沢できる。うまい使い道だと思わねぇか?」
言い切った巳早さんは、苦しむ私の顔を下からおもいっきり掴み、上へ上げた
酸素が入りにくくなり、呼吸がしにくい
『っあ、はう・・・!』
「いいねぇその顔。しかもさ、あんた俺をおもいっきし蹴ったじゃん?何かお詫びにしてほしーなー。_って事で、あんた可愛い顔してるしさ、体で払うのもアリだぜ?」
類い稀なるゲスの極みー!
心中でそう叫んだ私は、酸欠で若干飛びそうな意識を保ち、彼をまっすぐ睨みつけた
『私、は・・・そんな道に興味はありません。乱暴な男の人にも興味はありません。』
いつ何されるかわかったもんじゃないですしねえ?
嫌みったらしく笑っていった私に逆上し、巳早さんは火を持った手を後ろへ振り上げた
「だから・・・俺が連れていってやるって言ってんだよ!!」
__怒らせてしまいました!
思わず目をつぶった瞬間、私の目の前をすっと何かが通り、巳早さんの持っていた火を飛ばした
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かるp(プロフ) - 赤司ありあさん» 返信遅れてしまい、すいませんでした。赤司ありあ様、コメントありがとうございます!どストライクですか!?ハートを射る事が出来て嬉しいです。勿論頑張っていきたいと思います! (2016年2月14日 20時) (レス) id: 3ac4b62ad0 (このIDを非表示/違反報告)
赤司ありあ - おっ!これはエンペラーアイですか?wこれは、もう度ストライクですね!大好きです!!これからも読まさせて頂きます!!頑張ってください (2016年1月1日 19時) (レス) id: 63ba2608d2 (このIDを非表示/違反報告)
かるp(プロフ) - 猫型。さん» 猫型。様、コメントありがとうございます!最近更新が停滞気味で・・・。しかし尊敬してもらえるとは、とても嬉しいです! (2015年11月14日 19時) (レス) id: 3ac4b62ad0 (このIDを非表示/違反報告)
猫型。 - 作者様の書く小説のリズムテンポが素晴らしすぎて毎度尊敬してしまいます…(,,´ω`)赤髪の白雪姫、面白いですよね! (2015年10月6日 19時) (レス) id: bf9ac0b0e3 (このIDを非表示/違反報告)
かるp(プロフ) - +*+*はりゅりゅ*+*+さん» まじです!ゼンさんもオビさんも見る度数秒手を止めて見入ってしまいます(毎ページ)!オビさんのボケもかなり好きです! (2015年8月16日 22時) (レス) id: 3ac4b62ad0 (このIDを非表示/違反報告)
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