聞いてますか白石さん【鬼滅の刃】

白石さんが43人 ページ44

胡蝶side





何とかネチネチと執拗い伊黒さんに眠ってもらい
口をムンッと結んでAさんを離そうとしない
蜜璃さんを家に返してAさんを横抱きにして
部屋へと向かう。

Aさんは揺ら揺らと私の腕の中で
幸せそうに夢の中。

この姿を見て我に帰ることが多い。
この子はまだ齢15歳のたった1人の小さな
少女、なのだと。








｢Aさんは凄いんですよ、ねぇ｣









月明かりに照らされたAさんの顔を見ながら
言ってみるけれど聞こえてる筈が無い。
聞こえていても、少し恥ずかしい。









｢そろそろお部屋ですよ｣








Aさんに貸している部屋の戸を開き
予め設置されているベットにAさんを
優しく寝かせて布団をかける。









｢そろそろ私行きますね。｣









立ち去ろうとベットから立ち上がり扉に
向かうもそれは叶わず
Aさんが私の羽織を少しだけ握ってきた。








『おか、さん』


｢お母さん…ですか｣









夢の中では愛する母と幸せに
暮らしているのだろうか。









｢どこにも行かないよ、A｣









頭を優しく、壊れない様に撫でると
口元が弧を描き優しい表情になる。

本当に綺麗な子。









｢よし、よし、いい子｣

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