No.11 見つけた ページ11
「Aっ!」
俺はAらしき人物を見ると名前を呼び、走り寄った。
「へ……？景吾さん？こんなところでどうしたんですか」
Aは片手にバニラアイスクリーム、片手に遊園地のうちわを持ってきょとんとしていた。
隣に友人らはいない。
「もう10時を過ぎてるぞ。いつまで連絡を入れないつもりだ」
かなり走っていただろうか。
俺は自分が肩で息をしている事に気づいた。
普段テニス部で走り回っている俺らはそれなりの量を走っても息切れはしない。
むしろテニスは考えながら走るから余計疲れる。
その俺が息切れをしていた。
「ぇ？ ……もう10時ですか!? さっき友達と別れたところで…申し訳ありません……」
Aはｼｭﾝとすると誰も携帯を持っていなかったのだと告げた。
俺は呆れたのか安心したのか、固まっていた筋肉が解れていく気がした。
「心配させんじゃねぇよ……あと人の少ないところ歩くんじゃねぇ」
見つけた道は人が見当たらない。
どうやら昔の商店街のようだが今となっては空いている見せ所か通り抜けさえされていない。
こういうところはよく不良の溜まり場に使われるのだ。
「ふふ、心配してくださったんですか？ ありがとうございます」
Aはムカつくぐらい余裕に微笑むと俺に向かって手を差し伸べる。
俺が呆然としていると、Aは俺の手を取り
「帰りましょう」
と微笑んだ。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 16人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
月夜見(プロフ) - かふぇ・お-れ*さん» ありがとうございます！ (2014年10月24日 22時) (
レス) id: bfd674d62d (このIDを非表示/違反報告)
月夜見(プロフ) - 葉一さん» (σ`・ω・)σYo!! (2014年10月24日 22時) (レス) id: bfd674d62d (このIDを非表示/違反報告)
月夜見(プロフ) - みおさん» 返信遅れました(^_^;) ありがとうございます！ (2014年10月24日 22時) (レス) id: bfd674d62d (このIDを非表示/違反報告)
かふぇ・お-れ*(プロフ) - おもしろかった(*´艸`) (2014年10月6日 22時) (レス) id: 9087d5cd3a (このIDを非表示/違反報告)
葉一(プロフ) - 月夜見さん» 壁| 、ン、)ノ ョゥ! (2014年10月5日 16時) (レス) id: c84ea853a3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：月夜見 | 作成日時：2014年10月4日 2時
