＊トリップをした少女＊【テニプリ】part5

233話*鳳長太郎* ページ43

鳳「宍戸さんと同じように……俺とも試合をしてください」

覚悟を決めた様に鳳は僕をまっすぐに見た。

無駄な怪我人を増やしたくない。

でも、宍戸の言っている事は知りたいし何より宍戸の言っていた事をやり遂げたい。

そんな鳳の想いは痛いほどに伝わってくる。


A「越前との試合が終わってからね」


僕はそう言って鳳に微笑みかけた。

違う。

試合なんてしたくない。

鳳とは試合なんてしたくない。

せめてもの時間稼ぎ、そして自分への言い訳に越前との試合を使っている。


自分でもそれはしっかりと分かっている。


だからさ、



越前「なら二人の試合、先にやって良いっすよ」


そんな言葉は聞きたくない。


A「僕は一度始めた試合を中断する気はないよ」

それは事実。

一度始めた試合を途中で放り出すのも放り出されるのも大嫌いだ。

もう試合開始のコールは済んだ。

試合はもう始まっている。


越前「俺、試合やる気なくしたんでまた後でにしてもらって良いっすか」

いかにもやる気を無くしたというように欠伸をしながらもそう言ってｺｰﾄを出て行く越前。

試合が始まってからそんな言い訳は聞かないし聞きたくない。


だけど……


やる気のない相手に勝っても、嬉しくない。

越前は強いって聞いた。

いつでもどんな時でも進化し続けると。


だから

少しだけ楽しみにしていた。



A「やる気が無いならまた後で良いよ。」

僕がそう言う前に越前はコートの外へと出ていた。

代わりに許可をする間もなく鳳が入って来る。



鳳「宍戸先輩に言われた意味を教えてください」

まっすぐに僕を見て、微笑みも見せない。

宍戸と試合をした時は全身に打撲をさせた。

きっと今も内出血や表面の痛みで触れるのも痛い筈だ。

わざわざ自分からその痛みに飛び込もうと言うのか。


宍戸も、わざわざそんなにキツい事を可愛い後輩にさせようとしている。


何故。

宍戸がそんな事を後輩にさせる意味も

それを知っていて僕に望んでくる鳳も

皆々、訳が分からない。








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☆生存者確認←☆
菊丸*越前
鳳*芥川
柳生*丸井*切原

☆Aちゃんの味方(?)☆
芥川
柳生、丸井、切原
(菊丸)
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