＊トリップをした少女＊【テニプリ】part5

232話*中断* ページ42

丸井「the best of one set match,A to serve play」

試合の審判は丸井。

試合相手は越前。

誰だっけなぁ。

"越前は1年の癖にすげぇ奴"

って聞いたことがある。

まぁテニス部の"すげぇ"なんて信用できないんだけど。

けどまぁ。

この合宿も無駄にあるわけではない。

越前が強いことぐらいとっくにわかっている。






鳳「何をしているんですかｯ!」


不意に鳳の声がｺｰﾄに響いた。

その視線は僕ではなく越前に向けられていた。




鳳「ｯ……もう……A先輩とは戦わないって言ったじゃないですか！」

珍しく声を張り上げる鳳の言葉は

僕が聞いたこともない…………


越前「……俺、試合は逃げるの嫌いなんだよね」

ふと越前が面倒だというように眉をゆがめる。

何のことだ。


ただ分かるのは

越前が何かの約束を破っているという事だけだ。


A「分かるように説明してよ」

別にどうでもいいけど

話が見えてこないのは面白くない。

しかしそう言うも二人は口を噤み僕から顔を逸らせる。


丸井「ｺｲﾂら、昨日約束してたんだよ」

いつの間にかｺｰﾄに降りてきていた丸井が僕にﾆｯと笑いかけ,そう言った。

もうこの際何で知っているのかは問題ではない。


A「約束って？」

いい予感はしない

だって目の前でこんな険悪な雰囲気になっているのだから。


鳳「これ以上やっても怪我人が増えるだけｯ……もうA先輩と試合はやらないって約束です」

目を逸らし

誤魔化すように。

大嫌いだ。

だけど間違いなく、一番賢い。

一番賢くて、きっと鳳が一番歯痒い。


宍戸の敵は取りたい。

だけどこの合宿に残っている氷帝ﾚｷﾞｭﾗｰとして間抜けな行動は取れない。


鳳はそんな事に縛られているのだろう。


A「鳳は試合はしたくない？」

ふと思ったことを尋ねてみた。

鳳からすぐに返事は帰ってこない。

だけど何秒か経ってから鳳は口を開いた。



鳳「宍戸さんにAさんと試合をやってこいと言われました」


それは僕の望んでいた答えではない。

だけど、どうして宍戸はそんな事を言ったのだろうか。


鳳「宍戸さんに……どうしてそんな事を言われたのかが分かりません」


宍戸にそう言われた意味を知りたい。


そのためにはさ

試合をするしかないじゃないか。


―――――
☆生存者確認←☆
菊丸*越前
鳳*芥川
柳生*丸井*切原

☆Aちゃんの味方(?)☆
芥川
柳生、丸井、切原
(菊丸)
―――――

233話*鳳長太郎*→←231話*敵*

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す