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224話*医務室* ページ34

柳生「怪我でしょうか?」

柳生は意外そうに、僕を見つめた。

そうだろう。

僕が怪我をするなんてことは滅多な事がない限り無いからな。


A「手塚……は?」

少し震えた声でそう言った。


これぐらい走っただけで息切れにはならない。

でも、

あんなことをした手塚を、

壊してしまった。


それが、怖かった。


そして、手塚を見れば

事実を受け入れなければいけない。


でも、

ちゃんと謝らなければ。

切原に言われたせいか、手塚を見る事を躊躇はしなかった。




柳生「手塚くんであればそちらで寝かせてあります。
  もうすぐ救急車が到着するでしょう」



じゃぁ、まだ居る……!!!


僕はまっすぐに歩いて、手塚のベッドにと近づいた。


柳生は黙ってみていてくれている。



大丈夫だよ。

危害なんて加えないから。



まだ、手塚は意識を戻していないのか……。


僕は寝たままの手塚のベッドの隣に座り、手塚を見た。


痛々しい身体の痣。

それを冷やす、異常な量の氷嚢。



A「ごめん。」

僕は起きない手塚に聞こえるわけもないのに

そっとつぶやいた。


A「本当に、ごめん。」


やっぱり声が震える。

僕は、弱いな。


初めてそう思った。



A「本来なら、本気でラケットにでも当てるべきじゃない。でも…
  でも、僕は、本気でラケットに当てようとした」



手塚の眉が少し動く。

……起きるか?


そう思っても、


手塚は起きなかった。



A「テニスで…本気のテニスでけが人を出すのは、初めてだ。」


本気だった。

そう、本気だった。

相手を苦しませるテニスじゃなくて、

試合に勝つためのテニスだった。




そんなこと、しちゃいけないって


自分が一番よく分かっていたのに。



A「ごめんしか言えない僕は弱いんだよ」



それだけ、手塚に向けて言った。

弱い。

自分に弱いなんて絶対に言ってはいけない。



誰の言葉だっけな……。


でも、僕は弱いよ。



それは、認めなくちゃいけないと思った。





柳生「Aさん、救急車が到着したのでそろそろ…」









柳生に言われ、僕は医務室を出た。







―――――
☆生存者確認←☆
菊丸*越前
鳳*芥川
柳生*丸井*切原

☆Aちゃんの味方(?)☆
芥川
柳生、丸井、切原
(菊丸)
―――――

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月夜見(プロフ) - さっこさん» 分かります(キリ← 真田=wwww 的な雰囲気ですね(笑) (2015年5月10日 15時) (レス) id: bfd674d62d (このIDを非表示/違反報告)
さっこ(プロフ) - 月夜見さん» 話に困ったときに名前を出すと会話が広がる(( (2015年4月22日 22時) (レス) id: a7371a86a7 (このIDを非表示/違反報告)
月夜見(プロフ) - ゆーまさん» いえいえ、お気に入りにして頂きありがとうございます。そしてそのように言って頂けなければ違反だと言うこともわからない作者様もいらっしゃると思いますので謝ることはないと思いますよ。ありがとうございました。 (2015年4月21日 0時) (レス) id: bfd674d62d (このIDを非表示/違反報告)
月夜見(プロフ) - さっこさん» 確かになりますね(笑) おかげでネタには困らない(( (2015年4月21日 0時) (レス) id: bfd674d62d (このIDを非表示/違反報告)
ゆーま - 奏さん» あ、いえ。私もなんか荒らしてしまって申し訳ないです…つい、お気に入りの小説でしたもんでつい本気になっちゃって…;;冷静に考えれば一人に対して言ってませんね。すみません;; (2015年4月5日 3時) (レス) id: 21e24847c2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:月夜見 | 作成日時:2014年4月12日 2時

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