THE WOMAN OF S. R. I. SS (ページ12)

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「おかしいと思ったんだよね。自分から潜入捜査に協力したいとか言い出すんだもん。」

「だって、犯罪者を間近で観察できるんだよ？こんなチャンス滅多にないじゃん。」

呂太が誘い水を向けるとAは面白いように口を滑らせた。

「研究熱心なのはいいけどさ、あんまり無茶すると蒲原さんに怒られちゃうよ？」

「心配しなくても大丈夫だって。あたしが強いの知ってるでしょ？って言うか…呂太くんがそんなこと言うなんて意外。」

「だから僕だったの？」

不意に立ち止まって呂太が問いかける。

「え？」

「僕だったら何も言わないって思ったから一緒に来たの？」

呂太は悲痛な表情をAに向けた。

「別にそういうわけじゃ…。呂太くん何か怒ってる？」

普段とはどこか違う彼の感情をAは怒りと認識する。

「わからないならいいよ。…ねぇAちゃん。あれってあやしい人っぽくない？」

鈍感な彼女の言葉に呂太はまたため息をついた。

そして話題を別の方へ逸らす。