THE WOMAN OF S. R. I. SS (ページ11)

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「このパーティー会場、無線の通信がたまに途切れるんだよね。そこは盲点だった。」

呂太がノイズだらけのインカムをさりげなく指さして表情を歪める。

「無線が使えなくなったときは、最悪刑事さんを直接呼ばないといけないってことか…。そんなことしたら逆に目立ちそう。」

「確かに…。刑事さんたち、いかにもって見た目ばっかりだもんね。」

「うん。いざとなったら仮装ですって言って押し通すみたいだけど、無理があると思うな。」

「これだけの人波をかき分けて近付くのも不自然に見えそうだしね。」

「でもまぁ…何とかなるでしょ。」

最悪のシナリオを想定して動揺している呂太とは対照的にAは心なしか楽しそうだ。

「刑事さんに頼れなくなるかもしれないからって…自分でどうにかしようとか思わないでね、Aちゃん？」

(何故わかる？)

思わず口から出かかった言葉を咄嗟に飲み込む。

「…やっぱり。」

あからさまにため息をつく呂太。

「やっぱりって？」

彼が何に納得しているのかAには皆目見当がつかない。