科捜研の女＊２ (ページ10)

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「早月先生、なんて？」

「今日は午後から休みを取っていいことになりました。」

亜美の問いに苦笑いして答える樹里。

「じゃあ…ゆっくり休むといいよ。そうだ宇佐見くん、車で送ってあげて。」

「いえ。そこまでしていただくなんて…。」

日野の提案にふるふると首を横に振る。

もうそろそろ理性が崩壊しそうだ。

誰かに八つ当たりする前に冷静になる時間が欲しかった。

そして次の定期連絡までには普通に対応できるように気持ちを立て直さなければいけない。

そのためには一人になる必要がある。

「今は急ぎの鑑定もないから大丈夫だよ。」

「本当に大丈夫ですから。ちゃんとタクシー呼びますし。」

優しく微笑む宇佐見の言葉でも今の樹里の氷を溶かすことはできないようだ。

「そう？」

「はい。お気遣いありがとうございます。」

「無理しないでね？しんどくなったらちゃんと言うんだよ？」

「はい。それじゃあ…失礼します。」

樹里はそう言って一礼し、科捜研を後にした。