科捜研の女＊２ (ページ8)

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「柊木さんが謝ることじゃないでしょ。」

「そうだよ。たとえこれが真実じゃなくても、樹里ちゃんを不安にさせてる蒲原さんにも原因があるんじゃないかな？」

恐縮する樹里に日野も亜美も温かい言葉をかけてくれる。

「所長…亜美さん…。」

懐の深い彼らに樹里は胸が熱くなってきた。

「お茶が入ったよ。どうぞ。」

「ありがとうございます。いただきます。」

そして宇佐見の入れたお茶を一口飲むと、堪えきれなくなった樹里の瞳から涙が零れ落ちた。

「そんなに思いつめていたんだね…。」

予想外の樹里の涙に宇佐見が珍しく困惑している。

「今日はもう家に帰ったほうがいいんじゃない？」

ハンカチを差し出しながらそう提案する亜美の表情も心なしか苦しそうだ。

「そうですね。風丘先生に相談してみます。呂太くんの部屋、借りますね。」

亜美からハンカチを受け取り樹里は涙を拭った。

そしてスマホを手にして不在にしている物理研究員＝橋口呂太の部屋に入っていった。