科捜研の女＊２ (ページ26)

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「わたし、少しでも早く真実を知りたいです。そのためにも今は自分ができることをやります。」

樹里も真っ直ぐな視線を日野に向けた。

日野はこの視線が苦手だ。

マリコや亜美なら上司として抑え込むことができるが樹里は部外者である。

無碍にはできない。

「わかったよ。マリコくんに任せよう。」

(心理学者相手じゃ心理戦は適わないな…。)

苦笑いしながらマリコの同行を許可した日野は、心の中でそう呟いた。

「その意気よ、樹里ちゃん。さぁ行きましょう。」

「はい。」

そう言って二人は科捜研を後にした。

「謎にシンクロしてますね。」

「マリコさんが二人になったぁ…。」

思わず顔を見合わせる亜美と呂太。

「良い化学反応が起きていると思えば、問題ないですよね？」

宇佐見が微妙な空気を払拭するように精一杯のフォローを入れる。

「こうなっちゃうと僕にはもう何も言えないよ。」

そして日野は過ぎ去った幻影を呆然と見つめていた。