【第九十話】 ページ43
首領の背から自動ドアの音がすると、鏡花を連れ去ろうとした挙句探偵社に捕虜にされていた
どこか困った様な顔付きだ。
｢おや紅葉君!｣
｢太宰の奴に探偵社を追い出されましてのう。
役立たずの捕虜に置いても世話代が嵩むからと、宿泊代わりに伝達人の使い番まで押し付けられたわ｣
そう言い紅葉が懐から取り出した手紙は...
｢探偵社の社長から茶会の誘いだそうじゃ｣
驚くべきものだった。
だが森は何を察したのか｢.....成程、そう来たか｣と呟いた。
八年前、其処には若かりし森の姿とベッドに横たわり骨兵の様にやせ細った老人がいた。
森は白衣を身に纏い手袋を着用した。
｢お加減は如何ですか首領｣
｢
首領と呼ばれた老人は乾ききった目を瞬き一つせず森に命令を降した。
だが...
｢それは＿非合理的です｣
｢此方が何人死のうが構わぬ...殺せ、唯殺せ｣
森は一瞬躊躇うと治療用のメスを首領の首に立て｢判りました...首領｣と言うと、彼の首の根を掻っ切った。
血塗れたメスを地面に捨て去る。
｢.....首領は、病により横死された。次期首領に私に任ずると遺言を残されて｣
｢君が証人だ、いいね?｣
血飛沫を浴びた顔で森が見る先にいるは＿＿＿。
────○────
木々に囲まれた公園で太宰は右腕に三角巾を付け、ある者達の出向きを待っていた。
｢ようこそ、首領｣
太宰が待つはポートマフィアだった。
首領の森はニコッと笑い久しく会った親しい友人と話す様に｢四年振りだねぇ｣と答えた。
｢私が購ってあげたコートはまだ使っているかい?｣
｢もちろん
＿＿＿焼きました｣
しかし太宰はあまり親しくしたくないようだ。
太宰の背後からス...と静かに人影が現れる。
｢ポートマフィア首領、森鴎外殿｣
｢武装探偵社社長、福沢諭吉殿｣
両方の大黒柱が顔合わせたこの瞬間、あまりに奇妙なこの光景に互いの部下らは息を飲んだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 218人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
星月 菜兎(プロフ) - アメ子さん» お返事ありがとうございます！！楽しみにしています！！更新頑張ってください！！ (2016年11月18日 23時) (
レス) id: c1b876223e (このIDを非表示/違反報告)
アメ子(プロフ) - 星月 菜兎さん» 両方のエンドですね…(； ･`д･´)ｺﾞｸﾘ ではお話が終わり番外編が出来次第、片方のエンドを製作してみようと思います！リクエストありがとうございます！(≧∇≦) (2016年11月18日 7時) (レス) id: 664edc9cf7 (このIDを非表示/違反報告)
星月 菜兎(プロフ) - コメント失礼します！！ハッピーエンドも見てみたいですがバッドエンドも見てみたいです！！ぜひお時間ありましたらどちらも書いてください！！わがまますみません！！ (2016年11月17日 1時) (レス) id: c1b876223e (このIDを非表示/違反報告)
アメ子(プロフ) - ゆずかさん» ３周もリピートされているとは…！大好きだと言ってもらえて嬉しいです、これからと頑張ります！！ヽ(｡･ω･｡)ﾉ (2016年11月15日 21時) (レス) id: 664edc9cf7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずか(プロフ) - 1ヶ月半ほど前から前作を読み始め、最近やっと追いつきました！これからどうなるんだろう、とワクワクしながら3周ほど読み直しています。何回読んでも飽きなくて面白くて大好きです！ (2016年11月15日 20時) (レス) id: 6d28a617a8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：アメ子 | 作成日時：2016年9月16日 19時
