【第九十一話】 ページ44
「
「探偵社とポートマフィア、横浜の二大異能組織の長がこうして密会していると知ったら、政府上層部は泡を吹くでしょうねぇ」
森はクスッと小笑いした。
福沢は笑止と言うばかりに密会の内容に迫る。
「単刀直入に云おう。探偵社の或る新人が、貴君らポートマフィアとの同盟を具申した」
「...ほう」
「私は反対した。非合法組織との共同戦線など、社の指針に反する。
だがそれは、マフィアに何度も撃たれ斬られ拐かされた者から為された提案だ。言葉の重みが違う」
故に、福沢は組織の長として耳を傾けざるを得なかった。
たがポートマフィアにとって利益のある部分は極めて少ない。
「結論を云う。同盟はならずとも『一時的な停戦』を申し入れたい」
福沢の言葉に驚かされるも目を細め「.....興味深い提案だ」と言った。
このまま理由等を述べ、マフィアに上手く言いくるめることが出来れば探偵社は大きく動くことが出来る。
Aの救済も難しくなくなるであろう。
「理由を云う...!まず第一に___」
「T・シェリングを読まれた事は?」
「...何?」
出ると予想していなかった森の言葉に福沢は動揺する。
「J・ナッシュにH・キッシンジャーは?」
「いずれも戦争戦略論の研究家ですね」
割って入って来るは太宰だった。福沢の隣に並ぶとポソと「昔、誰かさんに教え込まれた」と言った。
どれにするも、福沢も孫子なら読んだことがあると言う。
「国家戦争と
森は淡々と語った。
「協定違反をしても罰するものが居ない。
停戦の約束を突然マフィアが破ったら?探偵社が裏切ったら?損するのは停戦協定を信じた方のみ。
先に裏切ったほうが利益を得る状況下では限定停戦は成立しない」
あるとすれば完全な協調だが___
「それも有り得ない」
太宰は当然だと言う顔で否定した。
「その通り、マフィアは面子と恩讐の組織。部下には探偵社に面目を潰された者も多いからねぇ」
「私の部下も何度も殺されかけているが?」
「だが死んでいない、マフィアとして恥ずべき限りだ」
協定への道が怪しくなったその時、福沢はある事を思い付いた。
「.....ふむ、ではこうするのはどうだ?
今、此処で凡ての過去を清算する___」
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星月 菜兎(プロフ) - アメ子さん» お返事ありがとうございます!!楽しみにしています!!更新頑張ってください!! (2016年11月18日 23時) (レス) id: c1b876223e (このIDを非表示/違反報告)
アメ子(プロフ) - 星月 菜兎さん» 両方のエンドですね…(; ・`д・´)ゴクリ ではお話が終わり番外編が出来次第、片方のエンドを製作してみようと思います!リクエストありがとうございます!(≧∇≦) (2016年11月18日 7時) (レス) id: 664edc9cf7 (このIDを非表示/違反報告)
星月 菜兎(プロフ) - コメント失礼します!!ハッピーエンドも見てみたいですがバッドエンドも見てみたいです!!ぜひお時間ありましたらどちらも書いてください!!わがまますみません!! (2016年11月17日 1時) (レス) id: c1b876223e (このIDを非表示/違反報告)
アメ子(プロフ) - ゆずかさん» 3周もリピートされているとは…!大好きだと言ってもらえて嬉しいです、これからと頑張ります!!ヽ(。・ω・。)ノ (2016年11月15日 21時) (レス) id: 664edc9cf7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずか(プロフ) - 1ヶ月半ほど前から前作を読み始め、最近やっと追いつきました!これからどうなるんだろう、とワクワクしながら3周ほど読み直しています。何回読んでも飽きなくて面白くて大好きです! (2016年11月15日 20時) (レス) id: 6d28a617a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アメ子 | 作成日時:2016年9月16日 19時