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「なっ…何で…」
「要らんもんは要らんのや。そんなもん、貰っても困る」
「せっかくシッマのために一生懸命書いたんだよ…？いくら何でも捨てるなんて…」
彼女が肩を震わせて驚いてるのが目に見えてわかった。
かく言う俺も、こんな態度で彼女と接したことなんて一度もなかったし、なるべくならしたくない。
でも、もう糸が切れてしまった。
「そんなんただの紙やろ。それに、そこに書いてある内容が俺の予想するもんなら、それはただの思い違いや。どうせ高校入学して舞い上がって、勢いだけで書いたんやろ。しょーもない」
今まで何度かそういった場面を経験したことがあった。手紙はもちろん、SNSのDMから直接の呼び出しまで。基本はスルーだが、稀に連中にバレて返事をしてやれと騒がれた時は仕方なくそうしていた。
「なんでそんなこと言うの…！」
彼女の怒号が、下駄箱に響きわたる。
雨の音が掻き消えた。
「シッマのこと見て、かっこいいなって…こんな人が居たんだって…それで、好きになって、頑張って気持ちを伝えようとして……なのにそれを受け取る前から否定するなんて…
シッマのこと、よく分からないよ…＿＿＿＿」
でも、誰も気になるような奴は居らんかった。
女らは顔も名前も知らない奴がほとんどで、揃いも揃って"一目惚れです"なんてくだらないことをぬかす。一目見ただけで恋に落ちれる奴の気が知れない。
誰も俺の中身なんて見てはいないんだ。どうせ本当の俺を知ったら皆…＿＿＿
「そんなん…＿＿＿俺もAのこと一つも理解出来へん！！」
彼女から手紙を奪い取って、矢継ぎ早に告げる。
感情的になる事なんて今まで数えるくらいしか無かったが、今は遮二無二になっていた。
「春休み前はあんな仲良うしとったのに、休み開けてから俺のこと避けるし…かと思えば、今は要らんって言ってもやけに突っかかってきて、何なんお前、何がしたいん？俺は何もした覚えは無いけど、俺のこと嫌になったんならほっとけばええ話やろ！ほんま…人の気も知らんで…っ…、」
俺が何を思ってこんな事を言うのか。
何を思って、春の日にお前に話しかけたのか。
「ごめ………ごめん、シッマ…」
彼女の顔を見て、口が止まる。
震えた声でそう言った彼女は、いつの間にか泣いていて。すぐに顔を伏せると、そのまま走り去って行った。
人を好きになる事、誰かを想う事は、自分を顧みてはいられない。
俺は、彼女を追いかけることができなかった。
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なーや(プロフ) - こちらでもコメントありがとうございます！めちゃくちゃ嬉しいです(泣)まだ夏の話ですけど終わりまで見て下さい笑m(_ _)m (2021年4月10日 22時) (
レス) id: 8296248943 (このIDを非表示/違反報告)
相馬(プロフ) - 更新されると､まだ終わらないっておっしゃってましたけど、あ…また日付が進んでいく…と思ってしんどくなります笑毎日更新されるのが楽しみです！！ (2021年4月10日 20時) (レス) id: 7501b9a05e (このIDを非表示/違反報告)
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