ペット以上 コイビト未満 【カラ松】

もっと知りたい（カラ松side） ページ14

『さっきは助けてくれてありがとっ
私そろそろ、ここらへんで失礼するね？』







そう言い放った彼女の笑顔は、元の笑顔に戻っていて。
確かに可愛いが、まるで皆に見せる用の笑顔で。
その顔を見て、俺は





「え、あ…っ！待ってくれ…っ！」





『え？……なぁに、どうかした？』









俺は、彼女を引き留めていて。
ン〜？自分は何をしてるんだァ？？待て待て、さすがに回りだした恋の歯車とか言ってはいたが、待ってくれ。まだ会ったばかりのレディだぜぇ？しかも、素敵な夜景のディナーとかそういう場所じゃなくて、ただの道路。









というか引き留めて、何を話せと。
あ、いや、何でもないんだ。だなんて取り繕って答えると
彼女は納得した様子で帰ろうと背を向ける。









…………あぁ、そうか
引き留めようとしたのは、あの子の無邪気な笑顔が見たいからか。







会って間もない。それでもあの笑顔だけは、俺だけが見れたんじゃないかと。
そう錯覚してしまうかのような、通常の笑顔と俺の前で見せてくれた笑顔のギャップが凄くて。









「すまない、やっぱり聞きたいことがある！
名前、キミの口から教えてくれないか？

俺は松野カラ松って言うんだ」








会って間もないのに変だろうな、この考えは。
しかし目の前の彼女の笑顔を見たい、彼女のことを……もっと知りたい。と思ったんだ

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