ペット以上 コイビト未満 【チョロ松】

合い鍵 ページ40

……目の前の彼はどうやら理解出来ていないようで。自分はと言えば決して褒められたことではないこのキスに酷い罪悪感を覚えている。



伝わって欲しいけど、伝わる訳がない。分かってるそのぐらい。分かってたよ

そんな顔するって




…無理矢理キスして相手困らせるだなんて。唇を離した後に、あぁ…どうしよ、なんて言おうだなんてグルグル考えていると視界の端に彼の唇が動くのが見えて



「A、な、なにし…」



『…っ！！ごめ、今なにも話さないで…！』



グッと彼から離れ
背を向けて話す。お願い、話さないで。今こっちを見ないで。



『…もう、来なくて良いから、大丈夫だし
………親には言っておくから合い鍵置いて…』


「ちょっと待ってよ…っ、お前なにい……っ」


絞り出した声はとても小さいもので



『お願い…帰って
これ以上困らせたくない

こんなこと言える立場じゃないのは分かってる
…承知の上で言わせて……お願い…来ないで』



もう


自分のしたことに泣きそうなの



「…っ……鍵置いとくから。
……今日は、その……じゃあね」




鍵がカチャンと音を部屋に響かせて
彼の足音がゆっくりと部屋から消えていった

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