ペット以上 コイビト未満 【チョロ松】

帰り道 ページ22

そうして、薄暗くなった帰り道を
たわいのない世間話をしながら一緒に歩く
学校から家に行くまでの間にあるスーパーの近くを通った時のことだった





『それにしても皆、作業から逃げるとかひどいよねー』




「Aさん自分を棚上げしてない？逃げようとしたよね、作業」




『フッ、それは言ったらだめでしょ〜……って、へっ！？』






グイッと強い力で腕から伝わり、つられて体が後ろに行く
なに…？


…あ、わたし転ぶんじゃ…っ！なんて一瞬浮かんで




ぎゅっと目を強く閉じると
ポスッと硬い地面ではない感触が背中に。






えっ、なに？？




突然のことで困惑してると
後ろから聞き覚えのある彼の声が耳に届いた









「A……何してんの」









『チ、チョロ松？
なんで、ここに……あ、買い物してたんだ』





チョロ松の左手に持ってる
スーパーの袋に買ったものが入っていた。
私はね、委員会集会のあとちょっと作業を…と説明しようと口を開いたのだが
それより早く、チョロ松が話し出す









「そこの君、Aを送ってくれた感じ？
ありがとね。自分こいつの面倒見てる者だから、もう大丈夫」









「あ、そうなんですか！どうも」








「うん、じゃあ気をつけて帰ってね
A行くよ」









『え、ちょ、早い
歩くの早い！』







……なんなのだろう、なんだかいつもより歩くのが早い
よく分からないけど、いつもの彼にしては人様に対して
そっけなさすぎだった気がする。さっきの対応。




ギュッと彼に手をつながれたまま
私は彼に引っ張られるようにして家に帰った

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