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75話 安全確保を ページ29

眠っている人達を囲っているこの車両が鬼の一部なら、その人達に攻撃しないわけがない。まずは鬼の攻撃からみんなを守らなければいけない。



「炭治郎……」

「……人が足りませんね。俺一人でも二両が限界です……それ以上は……」

「……火が使えないとなると、私もそれくらいが限度か……」

「Aさん……」



こんなところで話している間にも、鬼の魔の手が迫っている。何も知らない乗客達は今も眠ったままで、あの子達が起こしに行ったとはいえ、全員を起こせる可能性は低い。

炭治郎と走りながら応援を呼ぶことにした。出来れば、鬼殺隊のメンバーが目を覚ましていてほしい。その願いが届いたのか、遠くの方から「うおおおお!!」と叫ぶ伊之助の声が聞こえた。

……よかった、無事…目が覚めたんだ!



「伊之助!」

「ついて来やがれ、子分共! 猪突猛進!! 伊之助様のお通りじゃぁぁぁ!!」

「伊之助―――! この汽車はもう安全な所がない! 眠っている人達を守るんだ!」

「この列車全体が鬼になってる! 列車全体が鬼ぃぃ、列車が鬼なの!!」

「俺達も中へ入りましょう!」

「じゃあ、私はこっちの二両を守る!」



伊之助が目を覚ましているということは、他の人達も着実に覚醒しているはず。それならば、私達は車両の中へ入って、まだ眠っている人達の安全を確保するんだ。

炭治郎と別れ、それぞれが各車両の中でウニャウニャと出てくる鬼の細胞を斬りつける。乗客の命を奪わせないために。



「……列車自体が本体なんて……聞いてないんだけど!」



乗客を庇いながら刀で斬りつけるのは結構きつい。それに、再生能力の自慢なのか、煽るように湧き出る細胞に腹が立ってくる。

ジャキン、ジャキンッと刀を振り回す中、これ以外に何か方法がないかを考える。

このまま乗客を守ることに専念する方が安全性は高い。だけど、いつまでもこの状況に耐えられるわけではない。一番確実な方法は、この列車から乗客全員を避難させること。



「……動く列車からどう避難を―――」



動く…列車。

鬼の攻撃を庇いながら外に逃がすなんて言うのは無謀すぎる。ただでさえ、この列車は動き続けているんだから。

でも……―――。



「……脱線……」



何とかなるかもしれない。

この方法が最善かなんて分からないけど、やる価値はある。







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☆りんご☆(プロフ) - りんごさん» コメントありがとうございます! 宇髄さん流に褒めていただきとても嬉しいです! もっと派手に盛り上がるよう頑張りますね! (2020年3月13日 0時) (レス) id: 0283dc52d2 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - めちゃくちゃ面白いです!もう派手派手です((←更新頑張ってください! (2020年3月8日 16時) (レス) id: a5bea457da (このIDを非表示/違反報告)
☆りんご☆(プロフ) - サクラさん» コメントありがとうございます! 炎炎ノ消防隊はアニメしか見てないですけど、面白いので是非見てみてください!! 時間はかかりますが頑張ります! (2020年3月7日 2時) (レス) id: b4140779db (このIDを非表示/違反報告)
サクラ(プロフ) - すごくおもしろいです。炎炎の消防隊は読んだことがなかったのですが、この夢小説を読んで興味がでました。続きが楽しみです。 (2020年3月5日 23時) (レス) id: 999b324e53 (このIDを非表示/違反報告)
☆りんご☆(プロフ) -  夜桜さん» コメントありがとうございます! そこまで楽しみにしていただけてとても嬉しいです(*´ω`*) 納得のいく文章を考えるのに時間がかかりますが、早くお届けできるよう頑張ります(`・ω・´) (2020年3月4日 1時) (レス) id: 0283dc52d2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:☆りんご☆ | 作成日時:2020年2月25日 15時

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