76話 状況把握 ページ30
炭治郎side
汽車全体が鬼の体で出来ているなんて、信じられない。それでも、車両の壁という壁から出てくる鬼の細胞が何の事情も知らない人達を襲っているのは事実。
―――俺達が守らないとっ……!
刀で乗客達を守りながら、他の車両がどうなっているんだろうと考える。鬼殺隊で動けるのが俺とAさん、伊之助だけだとしたら相当きつい。
「…っ…(他に誰か…!)」
そう思っていると、後ろの方からドカーンという落雷のような響きが聞こえた。状況把握ができていない状態では何が起こっているのか分からない。
……善逸と煉獄さんは起きたのか?
……禰豆子のいた車両もこうなっているのか…?
先が見えず目の前のことで躍起になっている中、突然汽車が揺れ始めた。立っていられるわけもなく、ドンドンッという音に合わせて俺の体も転がっていく。
鬼の攻撃かと思っていた俺の目の前に、「竈門少年」と声をかける煉獄さんがいた。
「煉獄さん!」
「ここに来るまでにかなり細かく斬撃を入れてきたので、鬼側も再生に時間がかかると思うが……余裕はない! 手短に話す!!」
煉獄さんの話は、この汽車が8両編成なこと、煉獄さんとAさんが後ろの5両を、善逸と禰豆子が残りの3両を守るということだった。そして、その間に俺と伊之助で鬼の頸を探し、斬りに行ってほしいと。
「頸…でも今この鬼は……!」
「どのような形になろうとも、鬼である限り
俺にそう念を押した煉獄さんは、目にも止まらぬ速さで姿を消した。目覚めてからそう時間も経っていないだろうに、状況判断の早さに驚かされた。
柱って……やっぱりすごいんだなと感心している場合ではない。煉獄さんに言われた通り、鬼の頸を探して斬らなければいけない。
「伊之助――!!」
「うるせぇぶち殺すぞ!」
「上か!」
どうやら伊之助も煉獄さんから伝達があったらしい。素早い動きになんか腹を立てているみたいだけど。
「伊之助、前方の3両を注意しながら!」
「分かってるわァァァ! そして俺は見つけてるからな、すでにな! 全力の漆の型で、この“主の”急所!!」
「そうか…やっぱり、前方だな?」
伊之助は前方が怪しいと言い張った。強く吹く風の影響で俺の鼻はあまり効かない。前方が怪しいというのならそれが正しいのだろう。
「よし行こう、前へ」
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☆りんご☆(プロフ) - りんごさん» コメントありがとうございます! 宇髄さん流に褒めていただきとても嬉しいです! もっと派手に盛り上がるよう頑張りますね! (2020年3月13日 0時) (レス) id: 0283dc52d2 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - めちゃくちゃ面白いです!もう派手派手です((←更新頑張ってください! (2020年3月8日 16時) (レス) id: a5bea457da (このIDを非表示/違反報告)
☆りんご☆(プロフ) - サクラさん» コメントありがとうございます! 炎炎ノ消防隊はアニメしか見てないですけど、面白いので是非見てみてください!! 時間はかかりますが頑張ります! (2020年3月7日 2時) (レス) id: b4140779db (このIDを非表示/違反報告)
サクラ(プロフ) - すごくおもしろいです。炎炎の消防隊は読んだことがなかったのですが、この夢小説を読んで興味がでました。続きが楽しみです。 (2020年3月5日 23時) (レス) id: 999b324e53 (このIDを非表示/違反報告)
☆りんご☆(プロフ) - 夜桜さん» コメントありがとうございます! そこまで楽しみにしていただけてとても嬉しいです(*´ω`*) 納得のいく文章を考えるのに時間がかかりますが、早くお届けできるよう頑張ります(`・ω・´) (2020年3月4日 1時) (レス) id: 0283dc52d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:☆りんご☆ | 作成日時:2020年2月25日 15時