emergency…131. ページ11
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「征くんっ!」
「お帰りA。昨日より早かったね」
「ただいま!ってか、これ!!」
帰ってくるなりAは髪を上げてうなじを見せてきた。
あ、バレてしまったのか。
誰だバラしたやつ。ぶん殴ってやる。
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「ううっ」
「どした?」
「なんか寒気が」
「風邪じゃねえの?移すなよ。しっし…あっちいけ」
「黛さんひどいっ!」
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背を向けてうなじを見せているAに近づき、つぅ…と下から上へ指でなぞると、びくりとAの肩が揺れる。
「……っ、せ、くんっ」
「ん?どうかした?」
「ど、か…っ、したじゃ…なく、てっ」
Aを抱きしめ、うなじに舌を這わせ、
「……っう!」
たら、鳩尾に肘が入った。
きょ、強烈。
その場にしゃがみ込み、Aを見上げるとにっこりと笑っている。
……目はまったく笑ってないが。
「あのね?これね?バレたのが葉山先生だったから良かったけど、生徒にバレてたら色々まずいんだからね?」
「別に良いじゃないか。見せつけて、」
「まずいんだからね?」
「……はい。すみませんでした。以後気をつけます」
声が大輝よりも遥かに低く、目が据わっている。
本気で怒ってると察し素直に謝れば、Aは満足そうに頷いて、僕と目線を合わせるようにその場にしゃがんだ。
「でもね、本当は嬉しかった……です」
頬を薄らと赤く染め、照れくさそうに笑うA。
そんなAを見て、あぁ…好きだ。とAへの想いがまた募っていく。
そしてひとつ言わせてほしい。
嬉しかったなら、肘鉄しないで欲しかったんですけど。
「じゃあまた付けてもいい?」
「ダメ」
「嬉しかったならいいじゃないか」
「ダメ」
「髪結ばなきゃいいだけだろう?」
「そうだけど、ダメ」
「なんで」
「なんでも」
頑ななAとの距離を詰め、ぐっと顔を近づける。
「ちゃんとした理由言ってくれなきゃ、また付ける」
膝に手を置いていたAの手を握り、我ながらガキくさいことを言ってのけると、Aは困ったように眉尻を下げた。
「だって、何かの拍子でいつ誰に見られるかわからないでしょ?」
そう言われるとそうかもしれないが。
というか何かの拍子って何。
風が吹いたときとか?
「じゃあさ」
ドサ、とその場に押し倒した。
ラグの上だし、そんなに痛さはないはず。
……多分。
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輝良@逆撫(プロフ) - エルさん» え、私、かなりゲスいよ!?(笑) (2014年10月25日 1時) (レス) id: c55524cef5 (このIDを非表示/違反報告)
エル(プロフ) - 梨乃さん» こちらにもレスくださってたんですね!ありがとうございます(o^^o)ファイナルで吐血してもらえるかなぁ……どうだろうか。うん、頑張ります(((o(*゚▽゚*)o))) (2014年10月24日 22時) (レス) id: 5c16d73fbb (このIDを非表示/違反報告)
エル(プロフ) - 輝良さん» 心ちっとも綺麗じゃないよ(^^;;ドス黒いよマジで……輝良のほうが心綺麗そうなんだけど(≧∇≦)?! (2014年10月24日 22時) (レス) id: 5c16d73fbb (このIDを非表示/違反報告)
梨乃 - 良かった、良かった(^∀^*)もう、終わりですかぁ…早いですね〜… どんどん吐血させちゃって下さい!!←笑最後!!頑張って下さい!! (2014年10月20日 23時) (レス) id: ea0d077b73 (このIDを非表示/違反報告)
輝良(プロフ) - エルさん» 名前はね(笑)エルの名前って天使みたいで可愛いし、心の綺麗な人っぽいから可愛いと思う!← (2014年10月20日 22時) (携帯から) (レス) id: f272c0973e (このIDを非表示/違反報告)
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作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kakeru00/ 作成日時:2014年10月10日 21時