第13話 ページ15
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カカシside
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『あ〜〜!お腹いっぱい!』
カカシ「まさか大盛り食べるとは思わなかったよ……」
財布にはギリギリしか入っておらず、会計でお金を全てだして空っぽになってしまった
懐が寒いとはこのことだね……
「今度何か奢って?」
『え〜どうしようかな〜、考えとくね』
手を頭の後ろで組み、呑気に口笛を吹いている
「絶対何も奢らないやつでしょ、その言い方!」
2人並んで特に宛先もなくぶらぶらと商店街を歩く
そこから会話は弾まず、2人の間には微妙な空気が流れていた
何かを思いついたのかフッとAが振り向き、少し恥ずかしそうに顔を赤らめる
『じゃあ、暗部隊長記念ってのはどう?』
まだ言っていなかった暗部隊長について知っていることに驚いた
暗部は暗黙の了解で、隊の構造を外にあまり漏らしてはいけないからだ
「なに、俺が隊長になったこと知ってたの?」
『ま、まあね〜』
焦っている様子のAの頭をくしゃくしゃと撫でるとまたあの笑顔を見せてくれる
『どうせ誰から聞いたか知ってるんでしょ?』
「まあ想像はつくよ」
『内緒にしててね?怒られちゃうから!』
そう必死に俺のベストの袖を掴むAはとてもかわいかった
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日も沈みかけるたまたま通りかかった公園で一人泣いているまだ女の子がいた
俺が声をかけた理由は、見覚えのある後ろ姿だったからだ
『お兄ちゃんが待ってろって言ったきり帰ってこないの』
「たぶん……もうすぐ戻ってくると思うよ」
ぐすんぐすんと泣きじゃくる女の子の頭を優しく撫でる。ふわふわする髪の毛は陽の光で茶色に透けていた
この子の言うお兄ちゃんが誰かははっきりしていた
すると遠くから誰かを呼ぶ声が聞こえた
オビト「A〜〜〜!!遅くなってごめん!!
っって、何でバカカシもここにいんだよ!」
「お前が……」
俺に一瞬食いかかってきたものの、妹に向き合う
「おばあちゃんの逃げた犬探してたら遅くなっちまった……ごめんな?」
Aはオビトの服の袖をギュッと握りしめてぐすぐすとまだ泣いていた
「世話になった、じゃあなバカカシ!」
そう言って歩き出した2人の後ろ姿を眺めていると、ふいにAが振り返り、片手はオビトから離さずバイバイと小さく手を振ってくれた
それが妙に印象に残っている
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かな(プロフ) - とても好きな世界線です…‼︎応援しています! (2022年4月14日 7時) (レス) @page4 id: a32747b1ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ナツ | 作成日時:2020年10月16日 18時