元怪盗彼女は狙われる。≪鏡音レン≫

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「Aちゃんってあの鏡音家のレン様の直属メイドなんでしょ〜？」

「いいなぁ〜。噂じゃジャニーズ顔負けのイケメンなんでしょ？」

休み時間とやらの時間中、私は女子達に囲まれていた。

その話の大抵がレンの話。

どうやらレンはこの学校では有名な様子だ。

「私は歌手音家のメイドだよ。それもかなり下!!!

給料ほとんどないしもう最悪！」

この学校に入るための条件。

それは私と同じような複雑な家庭環境で仕事をしたりしている子達が入る学校。

その大半がある屋敷でメイドや執事をしているらしい。

「Aちゃんのところってどんな感じ?」

「うぅ〜ん…どんな感じって言われてもよくわかんないけど…

レン様はすごく優しいよ。いろんな人に気遣いができたりして。」

女子達は私の言葉を聞いてほぅ…と夢見心地で溜め息を吐いた。

女子達はレンの姿を思い描いて空想に浸っている。

「こっちの主人はもう最悪！！！

同じ年齢なんだけどさぁセクハラまがいのいたずらされるし!!!」

「うわぁそれ最悪〜。こっちはお嬢様が超我儘でさ、

旦那さまとかは親バカだか何だか知らないけど甘やかして!!!」

女子達は眉間にしわを寄せたり

ジェスチャーを使いながら心底嫌そうな顔で愚痴っている。


それを見ていると思った。


私ってかなり恵まれてるかもしれない。

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