Murder time!!!!!【UndertaleAU】 (ページ10)

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“OVER WHITE” ページ10

Hサンズ「…“上書きボタン”？」

ホラーが首を傾けてそう聞き返すと、Aは苦虫を噛み潰したような顔でコクリと頷いた。

A「システム名称は“OVERWRITE”。PCで言う上書き保存のようなものだ。
一見、聞き慣れた単語かもしれないが……この世界を都合よく書き換えて、すぐに作用される。いわば“この世界を自由に変動させられる”ボタンだ。」

聞いているうちに、みるみる体から熱が引いてゆくのを感じた。

「そん…なもの………一体、誰が…。」
A「…言うまでもない。Ink!Sansだ。」

空気が凍りついたのを全身で感じた。

インク……何を考えてそんなことをしたっていうんだ。
あんなに温厚な奴だったのに、なにをそんなに…。

A「…お前たちは、まだインクのことを悪く見れない節があるよな。」
途端、Aが何かを悟ったようにそう言った。

その通りだ。あの時のインクは、そんなことをするような奴には到底見えなかった。

A「…あいつは、元々感情を持ち合わせていない。
あの胸に下げている虹色の瓶。あれが“感情のインク”だ。Ink!Sansはあれを飲むことで感情を顕にしている。
…あくまでも、元々は感情のない冷徹な骨だったんだ。“X!Gaster”に関しても、一体何を思っているのかなんて私にだって分かりやしない。」

Aは淡々と話し続けた。

…そんなこと、あってもいいのだろうか。
あのインクは、あくまでも俺達に表向きの顔のみを見せていたと。そういうことなんだろうか。

なぜかは分からないが、どうしようもない悔しさが募っていた。

A「…本題に戻る。
“X!Gaster”に攻撃は通用しない。それはさっきも言った通り、“上書きボタン”によりいくらでも改変が可能だからだ。………これで、大丈夫だろうか。」

Aは今にも倒れそうなぐらい顔色が悪かった。
おもむろに隣を見る。

ホラーは腕を震わせながら俯いていた。それが、恐怖によるのか怒りによるのかは本人のみが知ることだ。

キラーは元々光のない目を更に暗くしていた。どこか一点を穴が開くんじゃないかというほどしきりに見ている。

フリスクは未だ目をつぶったままだ。小さく、肩で息をしているのを確認して、少し安心感が芽生えた。

そんな俺は、汚れきった弟の形見をぎゅっと握りしめて、また床を眺めることにした。

皆、どうしようもないこの状況に、絶望していた。