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第九十八話【土御門 澄姫】 ページ49

「たいかい………ちゅーし………」

柄にもなく、混乱していた。

ありえない、なんで、とつぶやいても何も変わらない。

現実は残酷だ。さっきまでのあの努力は全部水の泡。私は力無く倒れ込んだ。

「憎い、憎い。政府が憎い。みんな憎い。私が、憎い」

まるで呪文のようにつぶやく。端から見ればただの精神異常者だ。

人を×すことは慣れてる。慣れてるはずなのに、なぜか悲しい。なぜか憎い。

「嫌い、政府、憎い。×す、絶対×す、違う、×してない、私が、×した、違う、違わない、憎い、憎、い………あ…………」

ぷつん、と音を立てて、私のナニカが切れた。

「×す、みんな、×す」

痛む体にムチ打って、戦闘態勢に入る。扇子を振るえば、暴風が起こる。

この世界の自然物は全て、全て、私の支配下にある。

もう一度扇子を振るい、火を起こす。風と火は、周りにあるもの全てを破壊する。

嗚呼、なんて楽しいのだろう!

もっと、もっと、と私の欲望は留まることを知らない。

周りにあるもの全て、ということはもちろん私もだ。

服は焼け焦げていて、身体中煤だらけ。けれど、心なしか、楽しそうだった。

心身滅すれば火もまた涼し、その笑みは美しく、どこか寂しそうだった。

「さぁ、舞台を始めよう!」

まだ、宴は終わっていない。

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(プロフ) - 続編いきます (2016年10月14日 10時) (レス) id: f9682346d9 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 終わりましたぁ (2016年10月11日 0時) (レス) id: f9682346d9 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 更新しませう (2016年10月10日 23時) (レス) id: f9682346d9 (このIDを非表示/違反報告)
影谷クロ(プロフ) - どなたでもいいのでパスを教えて下さい (2016年7月27日 23時) (レス) id: a8d74e6ef2 (このIDを非表示/違反報告)
璃音(プロフ) - 終わり (2016年6月23日 9時) (レス) id: f448c03481 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:参加者の皆様 x他6人 | 作者ホームページ:http:  
作成日時:2016年2月7日 0時

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