第36話 ページ36
「そうよお互いの目的のために協力しましょう」
「お互いの……目的？」
「ええあなた達は『脱走したい』
私はね『この家の主になりたい』の
イザベラを‘’ママの座‘’から引きずり下ろしてその地位奪いたいの」
「‘’ママの…座‘’？」
「………」
「言っとくけど本心よ私も抜け出したいの 今の境遇から」
そう言って首元のボタンを外し認識番号を見せた
「「「「！！」」」」
「このGF農園の管理システムはご存知？」
「？」
まあ知らないよな
「ある条件を満たして12歳まで生き残った女子には出荷時2つの道が示される
�，海里泙淹爐未�
�∋�育監を目指すか」
「条件って？」
「一定以上の成績と飼育監の推薦
それらさえ手に入れれば脱走しなくても生き延びることはできるのよ女の子はね
でもやめた方がいい
二度と敷地の外に出られない体になる」
クローネは胸元に痛々しく残っている手術痕を見せた
「「「「！！」」」」
「あなた達はまだ逃げられるわ」
「何……？それ」
「チップよ
飼育者はね一歩でも農園の外へ出たらコレに電気をながされて心臓を止められちゃうの
そしてコレは同時に何か別の要因で心臓が止まると農園に通報する送信器でもある
私は農園でしか生きられないだからその中で一番イイ暮らしがしたいのよ
ママとして偽りでも人間の暮らしを小さな箱庭の暖かな家庭のかわいい子供達の可愛い愛情に囲まれて母になりたいの
そのためには今の母親が邪魔なのよ
排除したい
あなた達が逃げればイザベラが罪に問われる排除が叶うわ！！
私は邪魔をしない
逃げなさいそれが私の利益になる」
なるほどね……そういうことか
「出荷……しないの？標的を」
「しないわ
協力しましょう敵は母イザベラ
共に追い堕としましょう」
いや違う『しない』んじゃない『出来ない』
「組みましょ♡」
クローネが手を差し出しノーマンがその手を握ろうとするとエマが止める
「待って
私はノーマンの判断に賛成
でも一つだけ今シスターに確認させて」
「なぁに？」
「あなたが私達を裏切らない保証は？」
確かにそれがないと信用は出来ないよな
「信用してくれないのね」
「いいから！」
「レイよ
レイがこのことをママにチクれば私を潰せるでも私がレイの正体をママにチクれば私はレイを潰せるわ
だからお互い裏切らないし裏切れない
それでいいでしょ？」
「…わかった」
「交渉成立ね」
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作者名：八重黒 | 作成日時：2022年8月8日 2時
