No.22 ページ24
｢紅葉姐さん｣
｢ん？｣
｢如何して撫でるの？｣
｢時祢が愛らしいからじゃ｣
紅葉の自室に来てから、何故か時祢は紅葉の膝に乗せられずっと撫でられていた。
首を傾げる彼女に微笑み、紅葉は湯飲みを手渡した。
時祢は受け取り、ゆっくり飲む。
時祢の顔色を確認した紅葉は、安心したように笑った。
先程迄の彼女は、紙のように青白い顔をしていた。
表情にこそ出てはいなかったが、初めての異能力の練習が余程辛かったのだろう。
｢時祢は優しい子じゃのう｣
｢優しくない｣
時祢は少し俯き乍ら云った。
｢それに、優しかったら私は此処には居られない｣
紅葉は息を呑んだ。
彼女は既に、此処がどのような場所なのか正確に理解していたのだ。
そして自分に利用価値が無ければいけないと判断し、異能力の使用を拒否する心を無意識に押し殺している。
｢治お兄ちゃんの妹なのと同時に、私は此処の一員になった｣
鳶色の瞳が、一瞬闇に染まる。
其の眼は、兄である彼に酷似していた。
彼女に自分達が守ると云ったところで、彼女は喜ばないだろう。
｢そうかえ｣
紅葉は只そう云って、時祢を撫でた。
時祢が闇に身を置く限り、彼女の言葉に反論することは出来ない。
その事を、酷く歯痒く思った。
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麗葉 - 大好きすぎて気づいたら四回も？読んでました(笑)体調に気をつけて頑張ってください！ (2023年5月2日 21時) (
レス) id: 14fd5e9416 (このIDを非表示/違反報告)
凛(プロフ) - 猫好きさん» 本当にそうよねえ奥さん←←もう先生は私を苦しめようとして来てるとしか思えないですよ…小学校卒業して「よっしゃマラソン大会無い！」からの長距離走があった絶望感…(´・ω・`) (2019年1月1日 23時) (レス) id: 424c23822c (このIDを非表示/違反報告)
猫好き - ホントですよ…マラソン大会とかは真面目に荒そうかと思いましたよ…ホント、やぁねぇ奥さん← (2019年1月1日 20時) (レス) id: fdca804d9b (このIDを非表示/違反報告)
凛(プロフ) - 猫好きさん» 大丈夫ですよ！立ち眩みは現在学生の私でも日常茶飯事ですから…………orz 体育の長距離とか本当にもう……………………殺しに来てますよ…(´・ω・`) (2019年1月1日 14時) (レス) id: 3546326a0b (このIDを非表示/違反報告)
猫好き - 1km全力疾走？アハハ…知らないの？僕ヒキニートだから歩くだけで立ち眩みするのw( °∇^)］ (2019年1月1日 13時) (レス) id: fdca804d9b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：凛 | 作成日時：2018年8月14日 11時
