王様ゲーム【カゲプロ】 (ページ9)

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命令２ページ9

side実優

シン「何だって？」
実優「つぼみと幸助とマリーへの命令が、３人で５人殺せだってさ。もしかしたらまだ幸助が館内にいるかもって」
シン「……そうか。どうする、外行くか？」
実優「私が本気で逃げたら、50mとか普通に離れるんだけど」

それだと、私も死ぬし伸太郎も死ぬから困るんだよね。

実優「でさ、幸助の電話番号わかる？」
シン「知らねーよ」

だよね。

prrrrr

あ、また？

実優「はいはーい。ピーッという発信音の後に名前と用件を10文字以内でどうぞー」
『実優さんっすか？』
実優「あー……幸助？」
セト『そうっす。今どこっすか？』

これは……絶対狙ってるね、うん。

実優「幸助、命令何だった？」
セト『何だと思うっすか？』
実優「わからないから聞いてるんだけど」
セト『そうっすね……あ』
実優「何」

セト「見つけたっすよ、実優さんと、シンタローさん？」

後ろから、声が聞こえた。

シン「セト……」

私たちの後ろには幸助。
幸助の手にはナイフ。

あれは多分、人狼ゲームで使ったやつ。

セト「シンタローさんと実優さん、どっちか片方、見逃してあげるっすよ。さあ、どっちにするっすか？」
実優「それは要するに、先に逃げた方を見逃すってこと？」
セト「そうっす」
実優「ふーん。でも、それは無理かな」

私は伸太郎の手を取って走り出した。

シン「お前、何で一人で逃げないんだよ」
実優「だから、私の命令は伸太郎と同じなんだってば」
シン「は？」
実優「いいから走ってよね。あんた遅い」
シン「お前が速い。50m何秒だよ」
実優「６秒代」

っていうか、どこに逃げればいいんだろう。
外にはつぼみとマリー。
中には幸助。

……外か。

実優「伸太郎、体力持つ？」
シン「無理。死ぬ」
実優「え、もう？」

この距離でそんなに体力消耗するとかヤバくない？
そんなんじゃ外に逃げるまでに捕まるじゃんか。

実優「あ。ねぇ、これってさ、能力使えるのかな」
シン「え？」
実優「使えるんなら、かなり有利になる自信があるんだけど」
シン「やってみれば？」
実優「うん」

私の能力は、『目を―――』。

実優「使える」

目が赤くなった直後に、私の手にはさっきまでなかったバラが。

シン「お前の能力、なんなんだよ」
実優「目をつくる。想像したものを、創造する能力」
シン「……ずるくねーかその能力」
実優「有利になるって言ったでしょ」

不便だけどね。