王様ゲーム【カゲプロ】 (ページ25)

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命令４ページ25

side実優

やっと書き終わった。
現在時刻16時37分。

ずっと寝たあとにずっと机に向かうとか……。

prrrrr prrrrr

実優「もしもし？」
美空『あ、やっと出た！もう、何回かけたと思ってるの』
実優「え、１回も来てないよ」

聞こえてないだけかもしれないけど。

美空『まあいいや。でさ、命令。どうするの？』
実優「殺す人は決まってるよ。そのための準備を今してたの」
美空『へぇ』
実優「あのさ、伸太郎を屋上に呼んで。話がある」
美空『自分で呼びなよ』

嫌だよ面倒くさい。

美空『まあいいけどさ』
実優「じゃあよろしく。じゃーね」

美空から何の用だったのかよくわからないけど、どうでもいい。

さっさと命令実行しなきゃ。

∴＊∴＊∴＊∴＊∴＊∴＊∴＊∴＊∴

シン「何」
実優「あー来たんだ」

私が屋上について５分ほど。
意外と来るのが早かった。

実優「あのさ。命令１のとき、私がなんて言ったか覚えてる？最初だよ。指名したとき」
シン「……『自分以外の誰かなんて書いてないじゃん』……」

正解。

シン「お前、まさか……」
実優「今回も、自分以外の誰かなんて書いてないじゃん」
シン「自殺する気か？」

それしかないでしょ。
誰を殺せって言うの。

実優「私が死んだら、私の部屋の机の引き出し開けて。そこにノート入ってる。全部、書いてあるから」
シン「……全部……」
実優「約束したでしょ？」

針千本は飲みたくないからね。
……全部……ではないけど、だいたい。

シン「お前、本気で言ってるのか？」
実優「言ってるよ。ダメなの？ダメって言うなら、誰を殺せばいいか教えてよ」

今なら、あのときの桃の気持ちがわからなくもない。
他人に決めてもらった方が、変に躊躇しなくていい。

シン「……オレが死ぬ」
実優「バカなの？いくら何でも、好きな人は殺せないよ」

女心わかってないなぁ。
そんなんだからモテないんだよ。

実優「大丈夫だよ。伸太郎は死ななくていい」

私は屋上の策に座った。

シン「落ちるぞ」
実優「そのために座ったんだけど」

私の身長じゃ策に座ると足がつかないから、手だけでバランスを取るしかない。

実優「伸太郎。美空のこと、よろしくね」
シン「何で美空？」
実優「……美空はね、私の……」

そこまで言って私は策から手を離した。

シン「お前、オレの目の前で死ぬ気かよ」
実優「嫌なら戻ればいいじゃん」
シン「いや、別に……」
実優「ねえ伸太郎」