【カゲプロ】孤児院育ちの私は自虐少女？ (ページ30)

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幸助とは、それから時々話す程度で、虐められていた時に、私が相手を殴ってやり返されて負ける、この繰り返しだった。

しばらくして、また、ある日。

孤児院に入って来たのは、緑髪のショートカットの女の子だった。

そして間もなく、猫目の男の子が入ってきた。

二人が入れられたのは、107号室。幸助のいる、通称「化け物部屋」。

他の部屋がいっぱいになっても入れられなかった107号室。そこに二人が入れられたことには、違和感を覚えていた。

あの子達にも、きっと何かがある。

そう思わずにはいられなかった。

セトを助けて、107号室に連れていく。その関係で、二人とも話す機会が増えた。

女の子は木戸つぼみ。男の子は鹿野修哉と言うらしい。

それからは、107号室に集まって話をしたりすることもあった。

そして知ったこと。二人にも能力がある。

つぼみが小さな声で、教えてくれた。

『修哉は姿を変えられて、私は消えられるんだよ』って。

ただ、勝手に能力が発動してしまうこともあり、その事か広まるのは遅くなかった。

『化け物』

もう聞き飽きたその言葉。

それを向けられたのは、幸助だけじゃなく、他の二人もだった。

やめて。そんなこと言わないで。もう嫌だ。化け物なんかじゃない。

三人は、私の……仲間だから。

『言ってみろよ、私たちは化け物ですって』

ｷﾄﾞ「違っ……」

『何？化け物のくせに、否定すんの？』

『意味わかんねー』

ｶﾉ「僕たちはっ……」

ｾﾄ「……ッ」

『お前らってさぁ……』

『生きてる意味、あんの？』

ガチャン！

無意識。私は水の入ったコップをぶつけていた。

「あるよっ！！」

『は？』
『またコイツかよ』

「生きてる意味！あるよ！！その子達は化け物なんかじゃないっ！！なんなら、そんなことも分かんないあんたらの方が化け物だっ！！」

ｾﾄ「Aさんっ……！もう大丈夫です……これ以上はAさんが……」

「三人はもう戻って」

ｾﾄ「でもっ……」

「いいから」

ｾﾄ「……はい」

三人がその場を立ち去ると、また続きが始まった。

『お前何でそんなに化け物庇ってんの』

『お前も実は化け物とか？』

『コイツも化け物部屋の方がいいんじゃねーか？』

『同じ部屋の奴等がかわいそーだっての！』

「化け物なんかじゃないっ！！私の友達を傷つけないでっ！！」

それからすぐ、私は107号室に移動した。

三人は、このやり取りも、移動した理由も、知らない。