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幸助は、私を見た瞬間全てを悟ったんだろう。

セト「A……」

「幸助……ごめん…ね……」

セト「……二人にはちゃんと言ったんすか…?」

「……」

言わなきゃ。

ちゃんと自分で言って、謝らなきゃ。

キド「お前……」

待って…。

カノ「セトは知ってたのかよ……」

違う…。

セト「昔、能力が制御出来なかった時に……」

説明させて。

カノ「何で言ってくれなかったんだよッ…!いつもそうやって自分で助けられる気になって何にも出来てないだろ…!」

幸助のせいじゃない。

そう言いたいのに言葉が出ない。

キド「カノ…!落ち着け!セトだってちゃんと…」

カノ「落ち着いてなんていられるかよ!」

セト「俺だって……!」
三人の言い合い。

私のせいだ。

いつも私がいて良いことなんてない。

私が悪いの。

だから……

「やめて……」

セト「俺は助けたかっただけで…」

キド「言い合ったって何も変わらな…」

カノ「何で今まで…」

ダメだ。聞こえない。

「やめて…やめてよっ……!!幸助が言わなかったのは私がずっと隠してたからだよ…。……ごめん…ごめんなさい……」

目に涙が溜まるのが分かる。でも、今その涙は流しちゃいけない。

「私のせいで三人が嫌な思いするなら私はっ……」

カノ「何で……言ってくれなかったの…」

キド「今までずっと隠してたのか……?」

「私は……」

二人が静かに聞いてくれたのに何も口に出せない自分が憎い。

「私……」

何か言わなきゃ。

言葉にして__

「ずっと……怖かった……もし気付かれたら……」

キド「気付かれたら……?」

「拒絶……されるのが嫌で……ずっと…言えなくて……ごめんなさいっ……。こ、こんなの私最低だよね……」

何が言いたいのか分からない。

でも、今は涙に注意を払わないと溢れてしまいそうだから。

はぁ、というつぼみのため息。

キド「……馬鹿」

そう言うつぼみの声は、とても優しかった。

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作者名:夜桜
作成日時:2017年10月15日 23時

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