【カゲプロ】孤児院育ちの私は自虐少女？ (ページ18)

今日:13 hit、昨日:0 hit、合計:22,247 hit

17(少しだけ流血表現あります) ページ18

夜中。

私は少しだけ灯りをつけて部屋の引き出しを開け、ここに来てから初めてカッターを手に取った。

最近は幸助がよく包帯を巻いてくれる。

そんな幸助には悪いけれど、やっぱり止められないんだ。ごめんね。

丁寧に巻かれた包帯を巻き取り、刃を滑らせる。

じわりと滲む紅。

感じるはずの鋭い痛みは今はない。

こうすると能力が解けてしまう。それは昔からだ。つまりは、この状態で誰かに見られたりするとまずい訳で…。

ただ、昔の馬鹿な私はベッドの中でやって、シーツや布団を紅く染めたことがあった。

その寝具は誰にも気付かれないうちに近くの森に埋めたけど。

帰ったら三人が必死で私を探してたっけ。

ああ、いけない。眠くなってきた…。ベッドに移動しないと……。

そんな事を考えているうちに、私はそのまま眠りに落ちた。