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美味しいお食事も終わり、何故か思い出話に。
セト「でもAって能力持ちじゃないのに同じ部屋だったっすよね?」
キド「それは俺も前から気になってたんだが。まあ、俺たちと話してたからとかじゃないか?」
カノ「あ〜!確かにAよく一緒に遊んだもんね〜!それでかな?」
「あ……」
そうか。三人は知らなかったのか……。
三人を庇ったから、だよ。
それにしても、『能力持ちじゃないのに』か。
これが、私の一番の嘘。
嘘であり、秘密である。
だって、誰も分かってないんだよ?
私の存在を。
『存在』と言えるのかは微妙だけど。
でもね、誰にも教える訳にはいかないの。
理解されない、気味悪がられる、
それとは別。
人間、メドューサ、それとも別。
これは、ここにいる私自身を否定する事になってしまうから。
まだ、いや、永遠に、言えない。
……ああ、こうやって生活しているとつい忘れてしまいそうになる。
これが、私自身が嘘で出来てる、なんてこと。
ああ、そうか。それなら『あの日』のことも、この傷跡も、関係ないんだ。
『あの日』止めなくたって、傷が増えたって、これは嘘だから。
この存在こそが私の__
キド「A、どうかしたか?」
「えっ、ううん、孤児院の部屋ってどうやって決めてたのかな、って思って。」
ごめんね。
修哉、嘘つかない、なんて約束したけど、守れそうもないや。
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作者名:夜桜
作成日時:2017年10月15日 23時