25.story ページ26
「Aちゃん、お化け屋敷好きっていってたじゃん？」
「そ、そうだけど？」
「もっと強がるかと思ったんだけど、ね〜？」
「こ、怖がりだって言いたいの!?」
僕達は、皆と合流するために歩いている。
僕は、さっきからAがパーカーのフードを外さないのが気になっている(理由の予想くらいついているが)
「ねーねー、何でフード被ってんのさ。あ、何、もしかして『泣き顔見られたくない』とか？」
「別に泣いてないしっ！」
「えー、そうなの〜？あんなに叫んでたのに？」
「…………」
「やっぱ怖がりだな〜って思ったけどね〜？さすがAちゃんだな〜って」
「＿＿ッ!!こ、怖がりで悪いかっ……！怖いんだよっ……！全部……。格好悪いって事くらい分かってるよっ……！だから隠そうって……」
Aは震える声でそう言うと、下を向いてしまった。強がってたとは思えない位の、その弱々しい声色は僕のせいなのか、と思うと罪を感じた。
Aが怖がりって事も、隠そうとしてる事も分かってた。なのに結局からかうことしか出来ないなんて。
「……ごめんね」
「……え？」
「僕じゃ、全然頼りないね」
『頼っていい』とか、そんなこと言ったって、傷つけてるのは僕だ。口ばっかり良いこと言っても意味ないのに。
「……そんなことっ」
「……ごめん」
「そんなことないっ！だって……カノが来てくれなかったら……私……っ！……ごめん。……なんでもない」
『そんなことない』？少しでもそう言ってもらえると、嬉しいかもしれない。そんなことで一喜一憂、なんておかしいのかもしれないけど、今の僕には、それが救いのような気がした。
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作者名：夜桜
作成日時：2017年9月24日 0時
