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日曜日の朝9時
ショッピングモール前。



御幸「A!」



息を切らしながら駆け寄って
来たのは御幸だった。

椅子から腰を上げる。



A「・・・」

御幸「寝坊しちまって・・・」



いいよ、その言葉だけを返して店内に入る。

2階に上がってスポーツ用品を御幸が見る。
私は触れもしないで横に立つ。



御幸「グローブの手入れするのに・・・」



私には分からない用語や物の名前を
丁寧に分かるように説明する。

その後、必要な物を買うと座っていた
私の横に座って買った物を見せてくる。



A「いいと思うよ・・・」



いつもより言葉が苦しくなる。



御幸「・・・今日の服、なんか珍しいな。
  落ち着いた感じつうか・・・」

A「うん、季節が季節だから、」



嘘をつく言葉は簡単に、苦しくもない。

店内を歩いて回る。

その間は私はほとんど話さず
御幸の話に耳を傾けるだけだった。



御幸「頭?しっぽ?どっち?」

A「・・・もう一つ買えば?」



たい焼きを一つだけ買ってくる。

それに対して言葉を放つと
御幸は笑って夢見ろよなー、と言う。



御幸「ほら、どっち?」

A「しっぽ。」



分かった、と頭と尾を分ける。

気を使ってか、無意識か、
尾の方が大きく裂かれた。



A「甘いの苦手じゃなかった?」

御幸「そうだけど、なんで?」

A「あんこ甘いけどいいの?」

御幸「あー・・・外の生地があるから?」



回答になっているようでなっていない
回答に少しちゃんと答えろ、と思った。

昼頃になると、部活のある御幸は
帰らないといけない。

私は用事がないから途中まで帰る。



御幸「それでな・・・」



話す御幸の横顔を見続ける。
整った顔、はねた髪・・・・・・

これ以上見ることはない。
一度ゆっくりと瞬きをすると足を止めた。

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帰蝶(プロフ) - 凄く感動しました!!!涙線崩壊して、はなみずと涙を流しながら読んでました!!!このような作品を作って頂き、ありがとうございます!!! (2017年3月19日 3時) (レス) id: 07fa8ea693 (このIDを非表示/違反報告)
綾夏(プロフ) - 凄く面白かったです!続き気になります! (2015年11月30日 18時) (レス) id: ad909bac9f (このIDを非表示/違反報告)
さよ(プロフ) - 続きすごく気になります!更新頑張ってください! (2015年5月12日 1時) (レス) id: 2d2eb33a64 (このIDを非表示/違反報告)
瑠花(プロフ) - 続きすっごく楽しみです!更新がんばってください!! (2015年4月6日 13時) (レス) id: ee6310991e (このIDを非表示/違反報告)
凪花(プロフ) - 続きがすごく気になる場面…待ってます!頑張ってください!応援してます! (2015年3月11日 4時) (レス) id: ada3936617 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:星の欠片 | 作成日時:2015年1月9日 7時

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