矛盾カップル2【御幸一也】

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御幸に部活に来てほしいと
頼まれたが、断った。

いつか別れるのに大きな顔は出来ないからだ。



「あっ、もしかしたら双子かも
　 しれませんよ！私初めてです。」



エコーでお腹を診てもらう。

今時のエコーは形まで写す。
まだ原形がないくらいだが･･･



A「･･･初めてですか、」

「はい、私は新人なのでこうして話すことも
　 経験だと思っているんです。」



楽しそうに話す看護師。



「蓬さんって何歳ですか？」



その質問に驚いたのは私だった。

知っている筈の看護師が知らない。
そのことに驚いた。



A「･･･何、歳だと思いますか？」

「そうですねー･･･20、くらいですかね？
　 羨ましい大人顔ですからね。」

A「17です。」

「17･･･えっ!?嘘っ！すみません。」



大丈夫です。と言う。

当然驚かれるとは思っていたけど
まさかここまでとは思っても見なかった。



「父親は･･･」

A「内緒です。」



ジェルを拭くと起き上がって
服を整える。

さっきとは違う年配の看護師が来る。



「お腹はまだでないですが、ゆったりとした
　 服を出来るだけ着てくださいね。
　 お腹をしめすぎたら苦しいですから。」

A「分かりました。」



産婦人科を出ると
まだ少し暑い9月の日差しに当てられる。



A(何か食べよっか？)



そう、お腹の子に心の中で問いかけると
バスに乗り、家に帰った。



母「何ともなかった？」

A「うん･･･双子かもしれないって、
　 まだ分からないけど･･･」

母「双子!?」



母さんは喜び、跳ねるようにキッチンに立つ。

私もその横に立つと一緒に
ご飯を作った。

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