第八章〜新選組〜 ページ25
天霧「新選組とは、幕府に仕える壬生浪士組の事です。誠の旗を掲げ、浅葱色の羽織を着ています」
百合「なるほど。覚えておこう」
浅葱色の羽織に誠の旗…
あれ?でも、どっかで見た事があるんだよなぁ。どこだったか。
百合「そうか。まぁ、そいつらの事も一応調べておこう」
天霧「えぇ」
風間「そういう事だから俺は忙しい。だから、とっとと帰れ」
しっ、しっという仕草も含めて風間は言った。
しっ、しって我は動物か!?
百合「いま、貴様のその仕草にイラっとしたが今回は天霧に免じてゆるしてやる!」
そうだ。天霧に免じてだ!
天霧「ありがとうございます。ではまた別の日にいらしてください」
百合「あぁ。そうさせてもらう」
風間「ふん!」
百合「ベー!だ!」
百合は風間に向かってベーをした。どちらも本当にまだまだ子供だな、と雪は思った。
百合「行くぞ!雪!火龍!」
雪/火龍「はい!はいはい」
天霧は拗ねている、風間を横目に見ながら百合を見送った。
ガヂャ
百合「たくっ、何なんだよ。風間のあの態度!ほんと腹立つ!」
空「まぁ、まぁ、抑えて抑えて」
百合は先ほど風間の態度に非情に怒っておりそれを空が宥めている。
空「今度、外出のお許しを貰ったら気分転換に美味しい団子屋さんに連れて行ってあげるから」
百合「空がそう言うなら」
火龍「お前、いま絶対団子に吊られただろ?」
火龍の鋭いツッコミは図星で百合は戸惑う。
百合「い、いや別に?そんな訳無いし」
火龍「図星か」
雪「ですね」
百合「だから違うって!」
必死で、違うと言っても二人はそうだと確信してなかなか考えを変えてはもらえない。
そうこう、している間に出入り口に着いた。
雪「ここら辺で大丈夫ですよ」
空「で、でも」
海「空姉様」
空「わ、分かりました」
火龍「また、来るよ」
空「必ず!来てくださいね!」
火龍「あぁ」
雪「百合様、帰りますよ」
雪は先ほどからずっと下を向いている百合に言った。
百合「あ、あぁ」
雪「百合様?どうしたのです?」
百合「いや、そうだ。お前たち先に帰っておれ。我は後でゆっくり帰る」
雪「ゆ、百合様、それでは!?」
火龍「雪…」
火龍が雪の肩に手を乗せ首を横に振った。
雪「わか、りました」
百合「行け」
バッ
百合は部下を早く行くように促した。
百合「それでは、また会おうな。空。海」
後ろにいる二人に、別れの挨拶を告げた。
【次回八瀬の里と不知火】
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作者名:如月輝夜 | 作成日時:2016年9月16日 21時