序章〜始まり〜 ページ2
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_________真の絶望をお前は知っているか?
________真の苦しみをお前は味わった事があるか?
♢ ♢ ♢ ♢
ドゥーン、ドゥーン
星が美しく綺麗に輝く静かな夜に、似つかわしくない大砲を撃つ音が響き渡る。
やがて、其れは大きな炎へと姿を変えた。
灼熱の炎が村を覆い尽くす。
その村から聞こえるのは村人の悲鳴と爆発音だけ。
兵士1「百合様!大変です!」
ガチャッ
百合「何事だ!」
兵士1「その…」
なかなか要件を言わない兵士にイライラしながらも抑え込む。
百合「なんだ、早く言え!我は忙しいのだ」
兵士1「はっ、その九条様、九条奏馬様が攻めてこられたようです!」
九条、奏馬…
百合「なんだと!?」
なぜ。なぜあやつが…
ええーい!考えている暇など無い!
作業をしていた手を止め百合は椅子から立ち上がった。
百合「兵を用意しろ!そして、この国を守るのだ!」
兵士1「は!」
ドタドタ
なぜ。なぜ今になって。
百合は拳を握りしめた。
奏馬「さぁ!もっと、もっと撃つのだ!この国を火の海にしろ!」
兵士全員「ははぁ!」
なんで、なんでなの?お兄ちゃん!
百合「…………」
少女の声にならない声は誰にも聞こえなかった。
奏馬「そうだ。いいぞ。もっと撃て!」
狂ったように奏馬は叫び続ける。
百合「やめろ!やめるんだ。悪事はそこまでにしろ!」
肩を上下に動かし息を切らせながら必死で静止を要求する。
奏馬「!百合!」
奏馬は百合に気づき笑顔になったが百合の様子を見てまた直ぐに冷たい表情に戻った。
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作者名:如月輝夜 | 作成日時:2016年9月16日 21時