僕たちの帰る場所2 (ページ10)

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kj side

出た。めめ名物、ぶっ飛び発言。
俺は付き合いが長いから慣れているけど、ふっかさんは案の定追いつけないようだ。

fk「いや、ダンスやってたのってもうだいぶ前の話だし、流石に…」
mg「えーでも、佐久間くんはついこの前まで現役でしょ？みんなだってすぐ思い出すって」

なおもふっかさんを追い詰めるめめ。俺もみんなのダンスを見たい気持ちはあったけれど、ふっかさんが助けを求めるように俺を見るから仕方なく話題をそらす。

「まあ、レビューのコメント一つでそこまでやるのもな。そういえば、さっきふっかさんが言ってた考え事って何やったん？」
fk「ああ、今ちょっと経営厳しくてさ。なんかいい手はないかなって」

…助け舟を出すつもりだったけど、そういうことなら予定変更。ごめんねふっかさん。
「だったらさっきの話、一石二鳥やん。俺らはみんなが踊ってるとこ見れるし、店の宣伝にもなるし」

fk「何だよそれ…」
ふっかさんは味方を失って固まっている。しかも、身内からも新たな敵が現れた。

ab「ごめんね聞こえちゃった。俺は楽しいと思うけどな。佐久間も踊りたいって言ってたし。でもそのかわり、めめも宣伝協力してよ」
mg「協力って？」
ab「最近ハマってることとか、お気に入りの店とかよくインタビューで聞かれるでしょ。スタッフが踊る店があるって、俺らのこと紹介してくれない？
顔バレうんぬんが気になるなら、逆にここにいることを積極的にバラした上で、でもプライベートだから声かけは控えてねって宣言しちゃえば」

めめの発想力に阿部ちゃんの頭脳が積み重なったら、いくらふっかさんでも分が悪い。

ab「コスト削減行き詰まってるし、悪い話じゃないと思うよ。Ren Meguroのお気に入りなんて評判、なかなか得られるもんじゃないし」

ふっかさんに向かってそう言う阿部ちゃんの笑顔は、可愛いけれどブラックだ。俺はそこで、この人は敵に回してはいけない人だと悟る。

fk「阿部ちゃんにまでそう言われたら、完全敗北だわ」
俺よりずっと前からそのことを知っているであろうふっかさんは、当然のように降伏した。