僕たちの帰る場所2 (ページ11)

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sk side

fk「マジでやんのか、これ」
「いいじゃん、楽しげで」
fk「何年もブランクあるし、無理だろって思ってたけど」
「またいいところに佐久間という元プロがいるっていうね」
fk「ほんとこの店は人材が豊富だわ」

未だこの展開が信じられない様子のふっかに対し、俺のテンションは上がりっぱなし。
ちょうど体がなまってるのが気になっていたところだし、もう使うこともないと思っていたダンスインストラクターのスキルが生きるのも嬉しい。

fk「でも、佐久間1人に企画背負わせちゃって大丈夫か」
「確かに、この短い期間では正直厳しい」

そんな話をしていると、常連客の相手を終えた照が入ってきた。
iw「お疲れ。何の話？」

fk「なあ、照にもヘルプ頼もうぜ」
ふっかが俺に耳打ちする。
ダンス部時代振付を担当していたのは、主に俺と照だ。ブランクがあるとはいえ、照は大きな戦力になるだろう。

俺が頷くと、今までの話をざっくりと説明しはじめるふっか。照は時々驚いたり、笑ったりしながら話を聞いている。

「こんなことやる店他にないし、絶対話題になる。それで、俺1人じゃちょっと時間が足りないから、照にも振付師やってもらおうと思って」
iw「へえ、面白いじゃん。全然協力するよ」

照も快諾してくれて、あとこの話を知らないのは翔太と舘さまだけ。コスト削減の件では一悶着あった舘さまがどう言うかな…なんて思っていたんだけれど、

ab「佐久間～。舘さまと翔太もやるって～」
気を利かせた阿部ちゃんが、俺とふっかの休憩中に声をかけてくれていたらしい。

そんなこんなで、阿部ちゃんの言葉を借りると『コンセンサスが取れた』。そこで、業務終了後に集まったみんなに改めてふっかが言う。

fk「えーっと、改めてになりますが、広告費削減と売上増を目指して、踊ります。2週間後から、毎週水曜と土曜にショータイムを作って、そこでやります」

そう言いながら、自分で笑ってしまうふっか。まさかの展開だから無理もない。

fk「練習は毎日の営業後に1時間ずつ。曲と振り構成は佐久間と照に頼んである。店のオペレーションとか諸々の調整は俺がやるから、翔太はステージ装飾と衣装の手配、舘さまと阿部ちゃんは宣伝よろしく」

こうして、『踊るスタッフ』企画が始まった。