私の歌を聞け歌え踊れ５ (ページ5)

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１８０story ページ5

司会「それじゃあ本日のゲストは〝星川柊輝〟さんです!!」

結局テレビ出演は避けることができず、テレビで見ていたはずの司会は目の前。

柊輝「こんばんは〜☆実は今日のゲスト俺だけじゃないんですよ!!」

私が隠れている歌番セットの影に目をやり手招きした父。

A「こんばんは。」

疲れを顔に出して男装姿のまま、お客さんの前に姿を現すと、前で直に見てくれてる女の子達の黄色い声が耳から頭に響いた。

女子「月くーん!!」

男装姿である間、私の名前は〝月(つき)〟で通せとの天祥院先輩の命令。

やっぱり夢ノ咲の方もバレたら色々大変なんだろう。もろバラしてあげたいが、私にも非がくる。それは確実に避けたい。だから黙って命令に従うしかないんだ。

柊輝「月くん、俺も夢ノ咲のMVやったことあるんだよ!」

A(月)「はい。知ってますよ。」

声もできるだけ男の子に寄せて低くする。

バレませんように。と心で唱えながら慎重に言葉を選ぶ。

司会「月って名前本名じゃないでしょ？どうして〝月〟なのかな？」

この質問はされると思って散々天祥院先輩と考えてきた。

A(月)「月って色々言い伝えがあるんですよ。例えば、女性は月を見てはいけないってあるじゃないですか。」

女性が夜に月を見ることによって不吉なことが起きるという事。かぐや姫は月を見て迎えを怖がり情緒不安定になった事。

女子になんか見て欲しくない。女の子達には悪いけど人気を出さないために不利な理由をきちんと考えた。

司会「けどかぐや姫って月の使者がむかえにきたんだよね？ファンの子を迎えに行くとかそういう意味ではないの？」

さすが司会者。口はプロだ。