依頼主 ページ36
No side
ある曇りの日。
横浜の裏路地では激しい物音が響いていた。
ゴシャッ
「がっ…は……」
バキッ
「ぐっ……」
どしゃりと人の倒れる音がしてからその場は静かになった。
『ふ〜…やっと終わり』
その場にただ一人立っているAは着崩れた洋服を正して周りに目を向ける。
『……やり過ぎた?』
周りには二、三十人の柄の悪そうな男達が倒れている。
Aはそんな男達を殴っていた手の甲を擦りながら少し反省する。
しかしこれも立派な仕事。
横浜市内のある自治体と交流のあるAは、その自治体のメンバーから用心棒としての依頼を受けた。
なんでも、ギャング同士が抗争をした際に被害が大きく、その自治体にも被害が及んだらしい。
そこでその自治体はAに依頼してそのギャングを懲らしめてもらったのだ。
『ギャング二つ分は流石に人数が多かったな』
Aは近くに倒れていた男のポケットから携帯を取り出して警察に連絡する。
匿名でその場所に来るようにだけ伝えて電話を切るA。
持っていた携帯を床に放り投げてから自分の携帯が鳴っていることに気づいたAは、携帯を取り出して耳に押し当てた。
『はいもしもし、お電話ありがとうございます。
何でも屋です。
お名前とご依頼をお願いします。』
「初めまして、鳥羽Aさんで間違いないでしょうか?」
聞き慣れない声にAは眉を寄せた。
『この電話番号を知ってるということは誰かからの紹介ですね?
誰からの紹介ですか?』
「紹介されたわけではありませんが、知り合いに貴方の知っている人がいます。
武装探偵社の知り合いです」
『……』
Aは警戒心を解かないまま質問を続ける。
『それで貴方のお名前は?
それと電話の要件は?』
・
「私は坂口安吾という者です。
貴方に異能特務課から依頼があります」
『!?』
電話の相手が異能特務課の人間であることに驚く(名前。
『内容は?』
質問をしてからAは勢いよく振り返った。
グシャッ
「あっ……がっ…」
Aのすぐ後ろには鉄パイプを振り上げた男が迫っていた。
しかしAは振り返った勢いでその男の顔面に靴底を叩き込んだ。
鼻の骨が折れる音と共に倒れ込んだ男。
「大丈夫ですか?」
『ええ、問題ありません』
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jumpcontrolbear(プロフ) - ゆきさん» コメントありがとうございます!!楽しんでいただけて何よりです三└(┐卍^o^)卍 (2019年8月13日 1時) (レス) id: 34857aaa52 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - とっても面白いです!!作者様すごいです!! (2019年8月12日 1時) (レス) id: e69c1b6ddb (このIDを非表示/違反報告)
jumpcontrolbear(プロフ) - 裕さん» コメントありがとうございます!そう言っていただけて凄く嬉しいです!!更新頑張るので楽しみにしていてください! (2018年4月6日 23時) (レス) id: c47121f885 (このIDを非表示/違反報告)
裕(プロフ) - 続きが気になります!めっちゃ話に引き込まれて好きです!夢主さんも凄い好みで!更新頑張って下さい! (2018年4月6日 14時) (レス) id: 6354e2d8d5 (このIDを非表示/違反報告)
jumpcontrolbear(プロフ) - やひーさん» ありがとうございます!頑張りますね!! (2018年3月19日 0時) (レス) id: c47121f885 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:だし丸 | 作成日時:2017年8月31日 1時