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｢やっと起きたか｣
目を薄く開くと、そんな声が聞こえた
｢･･･硝子？｣
｢そうだ。その様子なら、大丈夫そうだな｣
｢うぅ、頭痛が痛い･･･｣
｢馬鹿になってる｣
体を起こせば、思った以上に体が重くて、頭も痛い
｢何日寝てた？｣
｢一週間と三日｣
｢マジか。体が固まってる。で、結局どうなった？｣
｢無事に収束した。強力な助っ人が来たからな｣
硝子の話によれば、ツギハギくんは取り込まれたらしい。そして、夏油 傑の方は体を乗っ取っていたものを取り払う事が出来て、本人の魂が体に宿ったそうだ
｢つまり、本物の夏油 傑が帰って来た訳か｣
｢ああ、アンタのお陰でね｣
｢俺の？｣
｢アンタがやったんでしょ？あの大掛かりな術。お陰で、怪我をした奴も、犠牲になった人達も、一応だが戻って来た｣
俺達の術は上手くいったようで、呪霊を無力化する事が出来た。しかし、力が足りなかったせいで、犠牲になった人達を完治するまでは至らなかったようだ
｢夏油 傑はどうなった？｣
｢教職として、こちらに戻って来る事になったよ。ただ上は良い顔はしてない。五条が色々言って、どうにかしたみたい｣
｢五条さん、箱から戻って来れたんだ｣
封印されてしまった五条さんだったが、どうにか出て来られたらしい。今は夏油 傑の事で手一杯で、どうにも忙しいという話だ
｢失礼します｣
そんな声と共にドアが開いた
｢あ、ナナミン｣
｢引っ叩きますよ｣
｢とか言いつつ、引っ叩かないね。今回は｣
そう言うと、ナナミンは無言でベッドの隣にある椅子に座った
｢まだまだ働いてね、ナーナミン。お友達の所に行くのは、もう少し後ね｣
｢分かっています。貴方が私にくれた命分だけは、働きますよ｣
｢そっか。虎杖くんには言ってる？｣
｢言っています。虎杖くんも、早く貴方と話したいと言っていましたよ｣
硝子に代わって、七海くんが現状を報告してくれた。釘崎さんも無事で、重傷を負っていた者も綺麗に怪我が治っている。吉野くんも頑張っていたらしいが、ツギハギくんには及ばず、命を落としていたが、俺達の術で辛うじて、息を吹き返したと言う
そもそも、吉野くんは従士なので、最優先で治してあげないといけない。だが、吉野くん自体の願いが、優先されてしまった結果だろう
それでも硝子の術で、どうにか治せた
｢良かった。吉野くんが無事で｣
｢･･･私には無いんですか？｣
｢ん？｣
｢良い大人が頑張ったんですよ。呪いを託す程には｣
｢そうだね。お疲れ様、七海くん｣
座っている七海くんの頭に手を伸ばし、差し支えの無い程度に撫でた
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作者名：空白可能
| 作成日時：2021年1月2日 12時
