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「皆が生きてるって、良いねぇ」
「そうですか?」
「七海くんがいてくれると、俺は嬉しいよ?」
少なくとも、死人に生きた人を捧げて喜ぶような輩では無いし、死んだ人間に寿命や病気、事故以外で、自分の信頼している人を捧げたくはない
実際問題、死人に何を捧げても、特に意味はない。その人が生き返る訳でも無いのだから
「どうして、私を引き戻したのですか?」
「俺の領域範囲内に死体があったから」
「なるほど。範囲内に私の死体が無かったら、死んでいた、と」
「そういう事」
そうは言っても、範囲は最大限に拡張していたので、渋谷駅が入らない訳がないのだが
「死者を蘇らせるなんて、一体どうなっているんですか?貴方は」
「そういう術があるんだよ。俺には出来ないけど、仲間には出来るんだ。本当に優秀だよ」
「そうですか・・・。貴方はこれから、どうするおつもりで?」
七海くんに訊かれたけれど、今までと同じように過ごすぐらいしか出来ない。大きな厄災は、一時的ながらも過ぎ去った訳だ。今回の事で、誰かが咎められる事はない
夏油 傑に関しては、何も分からないが
「明日から、また授業だな」
「もう少し安静にしていては?」
「これ以上寝ると体が痛い。俺の仲間は?」
「貴方の住んでいるマンションにいますよ」
アイツらもアイツらで、色々と付き合わせてしまったので、仕方の無い事だ
「さてと、行くかな」
「どこにですか?」
「家。しょーこー、看てくれて、ありがとね」
「さっきから思ってたけど、やっぱり疲れてんじゃない?アンタ、私の事そう呼ばないでしょ。人が変わったみたい」
立ち上がって硝子にお礼を言えば、心外な事を言われる
「やだなぁ、同級生だった頃は呼んでたでしょ?それに元々俺って人じゃないから」
「・・・そうね」
「それじゃあ、ありがとね」
硝子に再度お礼を言って、部屋から出て、欠伸をする。体を伸ばせば、ガチガチに固まった体が、嫌な音を鳴らしている
「昼食は食べますか?それとも直帰ですか?」
「あー、昼時か。七海くんも一緒に食べる?」
「お邪魔で無ければ」
「俺は構わないよ。七海くんのオススメでも教えて」
そんな事を話しながら、七海くんと共に昼食を食べに行った。久し振りにご飯を食べた。食べなくても、餓死する事は無いが美味しいものは、好きなので食事は摂るようにしている
「何か用事があれば、連絡してください」
「分かった、ありがとう。そうだ、五条さんに会ったら、俺が起きたとだけ伝えといて」
お願いをすると、七海くんは頷き、軽く頭を下げて去っていった
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作者名:空白可能 | 作成日時:2021年1月2日 12時