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「あ、ナナミン!!」
「ナナミン?」
急に聞こえた聞きなれない言葉に、声のした方を見れば、虎杖くんがこちらに向かって走って来ていた
「ナーナミン!!」
「引っ叩きますよ」
「そう言いながらも、引っ叩かないナナミンが好き!!」
七海さん、通称ナナミンに、太陽のように笑い掛けて言う虎杖くんが眩しい
「って、あれ?天使先生も一緒なん?」
「先生をついで扱いか。ちょっと前まで、一緒にいたでしょうが」
「ごめんって。先生もナナミンの知り合い?」
「後輩だったんだよ。ナナミン、イタッ」
ナナミンと呼んだ瞬間に、後頭部に痛みが走る。どうやらナナミンが俺の頭を叩いたようだ
「七海くん?」
「引っ叩くと言ったでしょう」
「俺には有効なのか。七海くん」
「当たり前です。お爺さん」
「おい、やめろ。引っ叩くぞ」
何だかんだと言って、七海くんは俺の存在を認めているようだった。五条さんから、色々と聞いていたのだとは思うが、それでも信じている人が他にもいた事に驚きだ
「それでは、私はこれで」
頭を下げた七海くんは歩いて行く
「七海ぃ、死ぬなよ」
「そう簡単には死にませんよ」
「それなら、良いけど」
こちらを振り向かずに言った七海くんを見送った
「人間はすぐに死ぬんだから」
「先生?」
「何でもない。虎杖くんは、これから外?」
「うん、任務が入ってさ。順平と伏黒、釘崎も一緒」
「じゃあ、俺も行こーっと」
五条さんに、一年生の事を任されているので、ついて行かないという選択肢は、ほとんど無い。四人で任務に赴き、俺は見守る係
任務に行き、戻れば夜になっていて、解散になる。そして、次の日には授業。そんなサイクルをこなしている内に、色々な事件があちらこちらで起きていた
今だって、皆が駆けずり回って、五条 悟を助けようとしていた。そして、それが終戦に向かっていた頃、俺は現場に来ていた
「俺達もやるか」
「やるって何をだ」
当然のように訊いて来るアイゼン
「こんなにも強い願いがあるんだ。何だって出来る。死者を蘇らせる事ぐらい、怪我を治すぐらい、どうって事も無い。やるぞ」
「・・・分かった。俺の術の範囲をお前の術で広げろ」
「手ぇ抜くなよ。アイゼン」
頷いたアイゼンは、術の詠唱を始める。それに合わせて、自分は術の効果範囲を広げる為に、領域を展開する。それは、非常に体力を消耗するものだが、今は非常事態だ
そんな事を気にしている暇は無い
出来るだけの範囲を覆える領域を出して、アイゼンの術を待った。そして、アイゼンの術が発動し、少しした時、目の前が真っ暗になった
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作者名:空白可能 | 作成日時:2021年1月2日 12時