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｢あれは…｣
馬の足を止めて、降りようとすると三成に止められた。
彼は無言のまま首を横に振る。
｢貴女様が庶民と同じ地に立つなど、あってはならないのです｣
三成は一礼すると、反物を拾い上げる。
だがそれは唯桜の手に届かず彼が抱えたままだ。
｢城に到着次第 お渡しします。
それまでは私の方で預かりますので｣
よろしいですね？、と問われるが ほぼ拒否権はない。
あの真っ直ぐな視線を向けられてはそう簡単に断れないのだ。
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それから少し経った後、さきほどの落とし主は城を訪れていた。
｢城下にて呉服屋を業としております、錦羽根 霸桜と申します。
この度は反物をお届けに参りました。どうか通していただけないでしょうか？｣
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作者名：クヴァール&くろのちか x他1人 | 作者ホームページ：なし
作成日時：2018年6月27日 20時
