過去2 ページ3
「……マフィアの情報を吐くくらいなら、私は死んだ方がマシよ。」
「だったら望み通りにしてやるよ!」
男がナイフを私の首に当てようとした瞬間……
「そこまでだ!」
「誰だてめぇ!」
「うちの部下が随分とお世話になったじゃねぇか。……覚悟しろよ。」
今までに聞いたことがないくらいの中也さんの声だった。
とても低い冷徹な声だった。
背筋が凍りそうだ。
中也さんとその部下達は、男達をどんどん倒していく。
最後は私の前にいる男だけだ。
「早くAを返せ。」
「嫌だと言ったら?」
「てめぇを殺す。」
「良いよ、返してあげる。」
そう言って男は、私の首をナイフで切ってから私を中也さんの所へ投げた。
「てめぇ!!」
「じゃあな。またね、A」
私の意識はそこで途切れた。
・
目が覚めると、ベッドの上にいた。
隣には、中也さんやお兄ちゃんがいた。
「A!!目が覚めたのかい!?」
お兄ちゃんは私を撫でた。
「ど……して……」
「A!!話すな。首切られてんだ。無理すると喉が……」
「助けて……欲しかった……」
「……すまない。」
数ヶ月後、私は回復した。まだ傷は少し傷む。
「どうして……助けてくれなかったの?」
「事情があった。」
「事情って……なによ。」
「・・・・」
「事情ってなんなのよ!!私は中也さんがいなかったら死んでいたのよ!?なぜ助けてくれなかったの!!私はお兄ちゃんを信じてたのに……!!」
「……2度と私に期待をするな。」
なんで……!?どうして私から離れていくの!?
「お兄ちゃん……!!」
・
・
私は目が覚めた。
「大丈夫か?俺と話してる途中で倒れたんだよ。すげぇうなされてたぞ。」
「……お兄ちゃんの……夢を見た。」
私がそう言うと、中也は抱き締めてくれた。
「悪夢を見たんだな……。薬、飲んだか?」
「……飲んでない。」
私は、お兄ちゃんが消えてから、中也に薬を飲むように言われている。
薬の意味は教えてくれなかった。
1日一回、飲まなくてはいけない。
「ごめんなさい……」
「大丈夫だ。あとで飲めよ?」
「うん」
あれ以来私は、異能力を使うのが怖くなった。
だから1度も使ってない。
首の傷は治っている。でも、取ることが出来ない。
これを取ると、お兄ちゃんとの繋がりが無くなってしまうような気がするから。
それが一番……怖いんだ……。
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Rin(プロフ) - 完結おめでとうございます。とてもよかったです (2022年7月16日 0時) (レス) @page27 id: 4ae69cd508 (このIDを非表示/違反報告)
愛実(プロフ) - きえさん» ありがとうございます!トリップ小説にもコメントくれ?本当にありがとうございます! (2016年9月4日 19時) (レス) id: 51dbbb2d03 (このIDを非表示/違反報告)
きえ(プロフ) - めっちゃよかったです!! (2016年9月4日 14時) (レス) id: 3aafe91e2f (このIDを非表示/違反報告)
愛実(プロフ) - 文豪ストレイドッグスさん» ありがとうございます!完結しちゃいました(笑)新作をもう見てくれたんですか!?ありがとうございます! (2016年9月3日 19時) (レス) id: 51dbbb2d03 (このIDを非表示/違反報告)
文豪ストレイドッグス - 完結おめでとうございます!とても面白かったです!!!新作も面白かったです!!! (2016年9月3日 18時) (携帯から) (レス) id: 0b69676c3b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:HQ&進撃 | 作成日時:2016年8月18日 18時