束縛愛Part4 (ページ15)

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好きになったのは① ページ15

〜和也〜

冷静になって考えてみると、彼女が虐待を受けていたとして、ここに住まわせる理由はない

児童相談所に連絡して保護してもらうべきだ

嵐を知らなくても一般女性と暮らすなんてデメリットだらけ

翔さんだって分かってるはずなのに、彼女をここに住まわせようとする

今日は私以外の4人が仕事で彼女と2人きり

え、気まづ

彼女は私のゲームの邪魔をしないよう大人しくしているとはいえ、他人がそこにいるだけで気が散る

和也｢その火傷、どうしたんですか｣

先に耐えきれなくなり適当な話題なんて見当たらず、触れて欲しくないであろうことに触れた

答えは返ってこず、振り向くと、悲しそうな目と、目が合って思わず何も見ないフリをした

ミスった。地雷を踏んだ

すぐに謝ろうとすると、タイミング悪く翔さんから電話がかかってきた

和也《どうしました。トラブルですか》

翔《Aちゃんと話したいなぁと思って》

和也《…………はい？》

翔《だって俺、まだ番号交換してないんだもん。ね、ニノ。Aちゃんに代わって。お願い》

和也《分かりましたよ》

彼女に携帯を渡すと落とさないよう両手でしっかりと受け取った

何を話しているのか

翔さんの声を聞いただけで彼女は穏やかな表情を浮かべた

さっきまであんなに苦しそうだったのに

悔しい……のだろうか？

ここにはいない、ずっと遠くにいる翔さんに負けたみたいで

気にせずゲームの続きをすることにした

後ろが気になりすぎて、さっきからゲームオーバー連発

和也｢もういいですよね｣

携帯を返せと言うように手を出すと、素直に応じた

和也《貴方は仕事あるんですから、呑気に電話してる場合じゃないでしょ》

翔《ニノ！？まだ5分しか経ってないけど！？》

和也《充分ですよ》

翔さんとの電話が切れると、さっきまでの表情は消えた

和也｢一緒にやりますか？｣

｢あ、いえ。私……ゲームはしたことないので｣

和也｢はぁ！？一度も！？今まで生きてきて！！？｣

大袈裟……いや、これは大袈裟に驚くことだろう

今どきの子供はゲームで育つと言っても過言じゃない ←それこそ過言だよ by翔

それをしたことがない？

よっぽどの辺境で隔離でもされていたのだろうか

和也｢初心者向けのゲームだから、やろ｣

強引にゲーム機を渡してピッタリと横につく

慣れないことに悪戦苦闘する彼女が、ちょっぴり可愛かった